メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク 試乗レポート/今井優杏(1/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:阿部昌也・オートックワン編集部
「シューティングブレーク」の名に秘められた高貴な意味とは
メルセデス・ベンツ「CLAシューティングブレーク」が待望の登場である。
シューティングブレーク、とはシューティング(狩猟)+ブレーク(抑制するという意味のBrakeと、同じ発音であるBreakという単語を使ってBreak in=飼いならすという意味のダブルミーン)で、そもそもの歴史を1960年代の英国に遡り、狩猟用にクーペとハッチバックのスタイルを組み合わせたスタイリングのことを表す。
や、その用途に使うんやったらハナっからステーションワゴンでエエんやないのとなるのだが、当時はクーペを改造してハッチバックとし、優雅にシューティング(狩猟)に出掛けるのは貴族の皆々様方の高尚な遊びであったわけだ。
ステーションワゴンとは似て非なる存在
だから、ハッチバックとかステーションワゴンとは何が違うの? といえば、同じように上下に大きく開閉するテールゲートを持ちつつも、Cピラー以降を流れ落ちるようにリアエンドまで伸ばした、クーペのようなボディ形状のことを指す。商用から発達したハッチバックとかステーションワゴンとは、出自からして違うんである。どことなく高貴な風なのは、そういうことに由来する。
狩猟用、という語源こそSoワイルド!なんだけれども、現在においてその流麗なボディラインは、都会という名のコンクリートジャングル(なんて書くとだいぶ恥ずかしいですが)を駆け抜けるにこそふさわしい、なんともクールビューティーな佇まいである。これがべらぼうにカッコイイのだが、これまでメルセデス・ベンツにはCLSのみにシューティングブレークを展開していて、ルックスとパフォーマンスは素晴らしいのだけど都心部で扱うにはやや持ち重りのするサイズ感でもあった。
[CLAシューティングブレークは才色兼備・・・次ページへ続く]
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