レクサス 新型NX 2017年マイナーチェンジモデル 試乗レポート|生まれ変わった2リッターターボ NX300“F SPORT”を徹底評価

レクサス NX 200tがマイチェンでNX 300へと“改名”

日本におけるレクサスブランドのSUVは、2009年に登場した3代目RXのみだったところ、2014年夏に、その弟分といえるニューモデルの“NX”が加わった。さらに翌2015年には、かねてより海外では販売されていたフルサイズSUVのLXが日本にも導入される運びとなり、エントリー、アッパー、プレステージの3タイプが揃った。その直後にはRXがフルモデルチェンジして4代目となったところまではご存知のことだろう。

そして2017年秋、レクサス NXがマイナーチェンジを実施した。

新しくなったNXの撮影のために借り出したのはNX300“F SPORT”だ。最後の「h」を書き忘れたわけじゃない。実はモデル名にも変更があり、これまで200tと呼んでいた2リッターのガソリン直噴ターボ車が、欧州勢の手法にならってNX300に改名されたのだ。なお、ハイブリッド車はこれまでと変わらずNX300hのままである。

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レクサス新型NXの外装デザインは“洗練された力強さ”

より個性を際立たせたフロント周りのデザイン

レクサス NXのマイナーチェンジポイントとしては、内外装デザインのリフレッシュ、フットワークの熟成、安全運転支援の強化などが挙げられる。

「洗練された力強さ」とレクサスが表現するNXの特徴的なエクステリアデザインは、よりその個性を際立たせたことが見て取れる。バンパーを鋭くし、低重心イメージを強調する造形とされたフロントは、スピンドルグリルに上級車種のLXやRXと共通性のあるレイヤー状のデザインを採用。シャープでスポーティな意匠の超小型LEDランプユニットを採用した三眼式のLEDヘッドランプも目を引く。これらによりNXは、さらに印象的な顔つきとなった。中でも“F SPORT”は、新しいFメッシュパターンとしたグリルメッシュとサイドのガーニッシュや新意匠のアルミホイールにより、とりわけ精悍でアグレッシブな表情を見せている。

流れるウィンカー採用、リアコンビランプ等の形状も変更されリア側のデザインも変化

一方のリアも、新意匠のコンビランプやワイドで立体的な造形により、タイヤの踏ん張りを強調している。

さらには、流れるように点灯するLEDシーケンシャルターンシグナルランプも、RXに次いでNXにも採用されたむろん車内にいると自分では見えないのだが、降りて外から点灯させた姿を眺めて、周囲にはこう見えているのだと思うと、思わずニンマリしてしまうってもんだ。

質感も高まり使い勝手も向上した新型レクサスNXのインテリア

NXの登場時から大いに注目を集めていたインテリアも、より質感の向上を図るとともに、使いやすく進化した。カラーヘッドアップディスプレイ(HUD)と一体化したメーターフードや、シンプルで機能的にスイッチを配置としたセンタークラスターなどは、見た目もよく先進性も感じさせる。また、10.3インチに拡大したディスプレイや、タッチパッドを大型化した新型リモートタッチにより、視認性や操作性も向上している。

さらに、“F SPORT”専用ボディ色として写真のホワイトとフレアレッドを新たに設定したほか、本アルミに独特の削り痕を残す日本古来の加工技術を施したオーナメントパネルを追加するなど、新しい試みにもチャレンジしている。

スポーティなキャラのNX、マイナーチェンジで少し“落ち着く”

新型NX300の走りについても、今回のマイナーチェンジを経てドライブした印象も少なからず変わっている。

RXも含めて少しおさらいすると、RXとNXは見た目の雰囲気が似ていてサイズの異なる兄弟のようなイメージもあるが、クルマの土台からして大きく異なる。RXは基本的に従来型のカムリ等と同じKプラットフォームをキャリーオーバーしているのに対し、NXはハリアー等と共通の比較的新しいMCプラットフォームとなる。また、ラグジュアリー志向のRXに対し、NXはスポーティな性格が強い。現行型の登場時期はRXのほうがあとだが、ドライブフィールにおいてはNXのほうが、引き締まった乗り味や操舵に対する応答遅れの小ささなど、もともと現代的に仕上がっているように感じていた。ただし、乗り心地がいささか硬すぎる気もした。

ところが今回のマイナーチェンジによる変更で、その印象が薄れてずいぶんしなやかになっている。具体的には、「サスペンションのチューニングで車体のロール特性や操舵に対する応答性を向上させたほか、アブソーバーを変更。(中略)新型AVSを採用し、きめ細かい減衰力の制御により、優れた操縦安定性と乗り心地を実現…(リリースより要約)」という。

実際にドライブしてもフラット感があり、操舵に対する反応やコーナリングでの挙動もいたって素直。よりクルマの状況が掴みやすくなり狙ったラインをトレースしやすく、意のままに操れる感覚が増したこことで、運転していて気持ちがよい。高速巡行においても、従来はやや跳ねて進路が乱れがちな面もあったところ、新型は直進安定性が高まっている。

また今回、ドライブモードセレクトにパワートレーン、シャシー、空調の各制御の組み合わせを自由に選択可できるCustomモードが新たに設定されたのもニュースのひとつだ。

パワートレインに関する変更はアナウンスされていないのだが、試乗したガソリンのターボ車に関しては、心なしか全体的にスムーズさが増し、静粛性が向上しているように感じた。ただし、レスポンスは悪くないものの、欧州製の2リッターターボ勢に比べると、やや性能面では控えめな感が残るのが正直なところ。実走燃費ももう少し伸びて欲しい気もするのは否めず。そのあたりは今後に期待したいところだ。

先進安全装備“セーフティセンスP” のレクサス版 Lexus Safety System+ 標準装備

先進安全装備については、歩行者検知機能付衝突回避支援タイプの「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱を抑制するため自動的にステアリングを制御する機能を持つ「レーンディパーチャーアラート(LDA1)」、全車速追従機能を備えた「レーダークルーズコントロール」、先行車や対向車を遮光しハイビームを照射する「アダプティブハイビームシステム(AHS)」の4つの機能を組み合わせた予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」が標準設定されたのも大歓迎だ。

日本で使うに適したサイズ感と十分な利便性に際立つデザイン、運転する楽しさと快適性、そして高い安全性という多くの要素を身に着けた、まさしくオールマイティな都会派SUVであるNXが、こうしてさらに魅力的に進化を遂げたことをお伝えしたい。

[レポート:岡本幸一郎/Photo:茂呂幸正]

トヨタ NX300 主要スペック表

レクサス NX300 ”Fスポーツ” AWD 主要諸元
グレード NX300 Fスポーツ

駆動方式

4輪駆動

価格(消費税込)

4,400,000円

燃費(JC08モード)

12.4km/L

全長

4,640mm

全幅(車幅)

1,845mm

全高(車高)

1,645mm

ホイールベース

2,660mm

乗車定員

5名

車両重量(車重)

1,800kg

エンジン

直列4気筒インタークーラー付ターボ

排気量

1,998cc

エンジン最大出力

175kW(238PS)/4,800~5,600rpm

エンジン最大トルク

350Nm(35.7kgf-m)/1,650~4,000rpm

燃料

無鉛プレミアム

動画

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レクサス/NX
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新車価格:
485万円772.5万円
中古価格:
168.5万円864.1万円

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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