ホンダ N BOX 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)

ホンダ N BOX 試乗レポート/渡辺陽一郎
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フィットと同様の「センタータンクレイアウト」

ホンダ N BOX 走行イメージ

ホンダの新しい軽自動車、Nボックスが発表されたのは、先ごろ開催された「第42回東京モーターショー2011」のプレスデーだった。ホンダはNボックスを含めて2012年内に3車種の軽自動車を投入。「2012年の軽自動車の販売台数を、2011年の2倍に相当する28万台まで高めたい」と言う。

強気の発言とも受け取れるが、実は違う。ホンダの2011年における軽自動車の販売実績(1~11月)は、ダイハツの49.8万台、スズキの43.8万台に対して11.4万台に下がるからだ。OEM車で固める日産の13.4万台よりも少ない。N360などの軽自動車で4輪車事業を軌道に乗せたホンダとしては、不本意な数字ともいえるだろう。

また、2008年末のリーマンショックに続き、今は1ドルが70円台に達する円高。「内需の拡大」が急務になり、軽自動車の重要性が高まった面もある。

過去を振り返れば、ホンダに限らず日本の自動車メーカーは、国内販売が778万台のピークを迎えた90年以降、国内市場を見限ってきた。北米、欧州、中国など、常にどこかの海外市場が潤っていたから、国内販売の下降には積極的な対策を講じなかった。だから「ホームグラウンドの国内市場を20年間も放置しておいて、何を今さら慌てているんだ!」という怒りを禁じ得ないが、早々と目を覚ましたのもホンダらしいところだ。

というのも、Nボックスの開発はリーマンショック前の2008年初頭にはスタートしていた。当時から円高は懸念され「そろそろ国内に力を注がないとマズイんじゃないか」という心積りがあったらしい。

いわば国内市場を救済するために投入されたクルマとあって、Nボックスは渾身の力作に仕上がっている。

最も高い効果を発揮したのは、エンジンとプラットフォームを両方とも新開発したこと。マツダCX-5の「スカイアクティブテクノロジー」にも当てはまる話だが、幅広い部分を一気に刷新すれば、相乗効果も大きい。

Nボックスでは、背の高い軽自動車のキモとなる空間効率が高まった。

プラットフォームは、燃料タンクをフロントシートの下に設置するフィットと同様の「センタータンクレイアウト」を用いて新開発。荷室の床を大幅に低く抑えた。

リアゲートを開くと、路面と荷室の段差が明らかに小さい。路面から荷室床面までの寸法は480mmだ。タントも低い部類だが、595mmだから115mmの差が付く。Nボックスは荷室床面の高さをタントの約80%に抑えた。

しかもNボックスのリアシートは、座面とバックレストを重ねて前側にワンタッチで倒せる。

この状態では、荷室と畳んだリアシートの背面がほぼ平らに繋がり、自転車なども簡単に収納できる。ほかの車種では自転車の前輪を大きく持ち上げて載せるが、床の低いNボックスなら体力をあまり要さない。

シートアレンジも多彩。フィットと同じくリアシートの座面を持ち上げ、フロントシートの後部に背の高い荷物を積める。車内中央の室内高は1400mmもあるから、子供の着替えなども行いやすい。

注意したい点は、リアシートにスライド機能が付かないこと。タントなどはリアシートにチャイルドシートを装着した時、スライド位置を前に寄せると便利だ。親子が乗車して、車内の後部にベビーカーなどを積める。Nボックスの最後部の荷室も上下方向の余裕があって意外に広いが、タントのようなリアシートを前に寄せる使い方はできない。このあたりは一長一短だろう。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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