ホンダ インスパイア 試乗レポート

ホンダ インスパイア 試乗レポート
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進化するインスパイア

インパネメーター

インスパイアはホンダの上級4ドアセダンとして1989年に初代がデビューした。当時からホンダにはレジェンドという最上級セダンがあったので、その次に位置するモデルだった。ボディサイズもレジェンドよりひと回り小さい。しかしメカニズムは独自の方式を採用、タテ置き5気筒エンジン+FFだった。これは走行性能のバランスを重視した結果だ。その後、95年にフルチェンジし、インスパイアとセイバーが誕生、98年の3代目もその車名は受け継がれた。3代目は北米での販売を中心に考えたモデルだった。

6月にフルチェンジした4代目は国内生産になり、ホンダ独自の先進技術を採り入れた上級セダンという位置付けは変わらない。姉妹車のセイバーはインスパイアに統合された。

成長するインスパイア

フロントシートリアシート

新型インスパイアはエンジンを一新した。V型6気筒SOHC、3L。250ps/6000rpmの最高出力、30.2kgm/5000rpmの最大トルクは、旧型の3.2Lよりも数値上はダウンしているが、実用域での使いやすさと、スポーティ感を重視。さらに新技術としてクルージング走行時にV6の片側3 気筒を休止させることを実現した。

さっそくこの新V6エンジンのフィーリングを確かめる。

スタートからの吹き上がりはスムーズ。トルクは2000回転からグーンと盛り上がる。3気筒走行は2速以上、1000回転以上、20km/h以上で、アクセルを急激に踏みこまなければ行われる。でもその作動はほとんどわからない。不快な振動も音も発しない。エンジンの存在を忘れてしまうような静粛性の高さだ。5速2200回転での100km/hクルージングは、CDでも聴いていないと眠くなってしまうほどに静かだ。これまでのインスパイアよりも1ランク上の高級セダンに仕上がっている。

コーナーでのロールも小さく、重めのハンドリングはスポーティセダンの雰囲気も味あわせてくれた。

最新のインスパイア

試乗エンジン

3気筒休止エンジンのほかにもホンダの技術は生かされている。とくに新型インスパイアは、先進予知機能として、高速道路運転支援システムのほかに、世界初の追突軽減ブレーキとE・プリテンショナーを装備した。

追突軽減ブレーキというのは、前方のクルマをミリ波レーダーで検知し、車間距離、相対速度、予測した自車の進路などが5追突の危険性をクルマが判断するというもの。

実際にテストコースでその実体験を味わえた。車両に見立てた物体にクルマを60km/hで接近させると、最初に警告音が鳴り、シートベルトがダダッと締まる。このときに運転者がブレーキを踏めば追突は防げる。さらに接近すると警告音が激しく鳴る。シートベルトもさらに締まり、体を固定する。ここでブレーキを踏むとABS+ブレーキアシストが作動し、追突直前でクルマを停止させるように補助してくれる。ちなみにノーブレーキでつっこむと、強いブレーキングとシートベルト引きこみが行われ、追突速度を低減してくれる(追突はする!)。交通事故の3割を占める追突事故防止にかなり有効な技術といえる。

どこまでインスパイア出来るか

タイヤ&アルミホイールリアスタイリング

このクラスの市場は月平均で1万台の新車が販売されている。最近では日産「ティアナ」がかなり頑張り、月に3000台以上を売っているが、基本的にはマークⅡ優位の市場だ。

新型インスパイアはこうした市場でどこまで独自のポジションを築くことができるかだ。

価格はベーシックなTEが270万円、追突軽減ブレーキや高速道路運転支援システムが標準のアバンツァーレは350万円。

日産ティアナよりは高めの設定だが、インテリアの質感、エクステリアのかたまり感はインスパイアのほうが上。さらに装備の先進性を考えると、この価格は決して高くはない。

個人的にはもう少しパワーステアリング(EPS=電動パワーステアリング)の操舵力が軽くてもいい気がするのと、ミシュラン・プレマシー205/60R16のタイヤがややかためなのを除けば、文句はない。

高速道路を使ったロングドライブが好きな中高年家庭にすすめたいセダンだ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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