輸入車プレミアムクーペ 徹底比較(2/4)

輸入車プレミアムクーペ 徹底比較
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社内デザインによる流麗なクーペスタイル

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パッと見では、406クーペの延長上にある流麗なクーペスタイルに目を奪われるとともに、406よりもずいぶん大きくなったという印象を受ける。セダンの407に比べても、全長は140mmも大きくなっている。

プジョーというとピニンファリーナがデザインを手がけることが多いが、クーペ407は社内で行なったとのこと。そのせいか、昨今のプジョー車が共通して用いているモチーフが、より強調されているように思える。

切れ長のヘッドライト、大きなフロントグリル、長いフロントオーバーハングなどはセダンと同様。

フロントバンパーの両サイドにはサメのエラようなダクトも備わる。伸びやかなリアビューがクーペを所有する優越感をより大きなものとしてくれる。

日本仕様のパワートレインは、210psを発揮する3L V6のみの設定で、6速ATが組み合わされる。滑らかな回転フィールとともに十分なトルクを発揮しつつ、意外と高回転型の性格を垣間見せる。動力性能的には十分だ。アイシン製と伝えられるATの制御にはダイレクト感があり、ロックアップ感がある。

初期の当たりの硬さをほとんど感じさせない「猫足」は、セダンよりもスポーティな方向にチューニングされている。しなやかな乗り心地を損なわない中で、ロールやピッチングを極力抑えるよう設定されている。 姿勢が乱れそうになると急激にダンピングを効かせる設定で、 スポーティなフィーリングを味わわせてくれる。

スタイルよし、ドライブフィールよし、クーペ 407のイメージに相応しい、期待どおりの優雅でスポーティなテイストを満身で表現している。

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新たなアルファの魅力を提示するモデル

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アルファブレラは、いうまでもなくアルファ159のクーペバージョン。その159は156の後継機種であり、まもなくモデル終了を迎える166に代わって、新たにアルファのフラッグシップとなるモデルでもある。

アルファロメオには2+2クーペのアルファGTというモデルも存在するが、アルファブレラのアルファGTよりも短く幅広いボディは、よりオリジナルティに満ちたデザインとなっている。 アルファの量販モデルとしては大柄なボディを持ち、これはアルファロメオがアメリカ市場に久々に復帰することを受け、居住空間の確保を考慮したためと思われる。

デザインはジウジアーロの手による。最近のアルファらしくグリルを大きく強調し、彫刻的なデザインとなっている。このフロントマスクは、今どきこれほど立体感のあるデザインをよくぞ実現したと思えるほど特徴的。ちなみに159とは、盾グリルの大きさやバンパーの造形などが似て非なる。

もっとも特徴的なのはリアビューだ。リアコンビランプが目つきのように見え、まるでリアにも「顔」があるかのようなデザインを呈している。クーペというよりもビッグサイズのハッチバック車のようでもあり、丸みを帯びたテールゲートにより、斜め後方のある角度から見ると、クルマ全体がタマゴ型の楕円状に見えたりする。 走りのテイストも従来のアルファ車と異なる。アルファロメオと聞いただけでイメージする走りの世界があるが、159もそうだったように、アルファブレラの走りも、スポーティというよりもGT的な要素が色濃い。スタビリティや操縦安定性を重視したものとなっている。

反面、軽快さやビュンビュン吹け上がるエンジン、クイックなステアリングなどという、かつてアルファがもてはやされた要因といえる側面は少々鳴りを潜めているのも事実だ。

旧来のアルファテイストを望むユーザーには不満のタネとなるかもしれないが、1台のクルマとして考えた場合、こちらのほうが現代的であり、乗る人を選ばないメリットがある。

エンジンは2.2L直4と、今回の3.2L V6+Q4が選択可能。アルファ伝統のV6が生む野太いサウンドには、いつもホレボレさせられる。

先進のAWDシステム「Q4」を今回は試すことができなかったが、いかなる状況下でも安心して快適に走行可能であり、その実力は相当にハイレベルと伝えられる。これもまたアルファの新しい魅力のひとつである。

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メルセデスの一員らしいシュアな乗り味

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Cクラスをベースに、スペシャリティクーペとして仕立てたのがCLKだ。価格はCクラスに比べてグンと跳ね上がるが、それもうなずけるだけの数々の専用装備を持つ。日本でも都市部を中心に意外なほど好調に売れている。

今回は、他の2台に比べるとかなり高価であることを承知で、エンジンタイプが他の2台と近く、上級装備を持つCLK350をあえて持ち込んだ。

CLKの流麗なクーペスタイルは、CLやSL、SLKなどメルセデスのスポーティモデルとはまた違った優美さを放つ。昨年秋にフェイスリフトされ、より新しい感覚のエクステリアを得た。

その走りは、まぎれもなくメルセデスの一員といえる味をしっかり備えている。今回唯一の後輪駆動車であり、高いボディ剛性に裏付けられたシュアなステアフィールはメルセデスならでは。切れば切ったぶんだけ正確に反応してくれるし、直進安定性も非常に高い。硬い中に柔らかさが、柔らかい中に硬さ感のあるしっとりとした足まわりも、メルセデスならではのフィーリングだ。いかなるシチュエーションでも快適に走れるのはもちろんとして、今回のライバル車2台もレベルアップを図ってきたとはいえ、やはり高速走行時の操縦安定性の高さは一歩リード。意外かもしれないが、単に「スポーツカー」として斬った場合も、CLKがもっともその要素を多分に備えている。

新世代の3.5L V6エンジンは、かつてのメルセデスのV6ユニットにはない緻密に回転フィールと力感を持っている。低回転では力強さを感じさせ、高回転まで気持ちよく吹け上がる、スポーツカーらしい雰囲気がある。V6らしいサウンドの演出にも好感が持てる。

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デザイン・スペックの総評

今回の3台は実に三者三様。近年の欧州プレミアムブランド各社は、より自身のブランドを強調する方向でデザインを進めているし、走りのテイストもそれぞれ大きく異なる。また、このカテゴリーのクルマを買う人にとっては、ブランドそのものについても重視するはずだ。もっとも無難といえるのはCLKだろうが、プジョーやアルファも近年では固有の「味」が薄れてきた反面、求められる「普遍性」を身につけた。その意味では、あまり「冒険」と認識せずに、スタイル、走り、プライスバリューなどが期待に応えるものを備えていれば、どれも積極的に「買い」である。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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