フィアット プント 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:芳賀元昌
日本の道路環境を考慮して、日本人の趣向を取り入れた、スニーカー代わりのイタリアンミニ。
フィアット社100周年の記念日に誕生したプントのイメージリーダーカーは、3ドアホットハッチのHGCアバルト。だが主力モデルは、“スピードギア”と呼ばれる1.2L+6速シーケンシャル付CVT仕様の5ドアだ。ベーシックな装備のELXに対して、01年秋に追加されたELXは充実装備がウリの上級グレードにあたる。イタリア車らしいキュートなフォルムを身にまとうプントだが、先代に比べるとかなり個性は控えめ。インテリアデザインを始め、大人4人がちゃんと座れる居住空間、ポケット類や安全装備の充実ぶりは国産車に近い仕上がりだ。
エンジンはタウンモデルらしく59kwの1.2LDOHCを搭載。ミッションはスバル製6速シーケンシャルモード付のCVTだ。加速感は5000rpm付近でややストレス感があるものの、スムーズに車速を伸ばしていく。プントの持ち味だった小気味よさは薄いけれども、街中で不満を持つことははいはずだ。ただマニュアルモードは、1&2速のつながりがDレンジよりも緩慢になるのが残念だった。
クラス初採用のデュアル・モード式電動パワステは、CITYモードのスイッチを押すだけでアシストがグンと軽い操舵力になり、車庫入れや切り返しがラクにできるもの。通常の操舵フィールも自然で違和感は伴わず、国産車顔負けの親切装備といえる。ただしステアリングのグリップは女性の手には太すぎる。操舵量が多い場面で扱いづらさを感じてしまうのだ。
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