コルベット史上“最強”のコンバーチブルが浅間ヒルクライムにて日本初披露(2/2)
- 筆者:
サーキットパフォーマンスまで性能を引き上げるZ07パッケージ搭載の最強Z06クーペ
プレオーダーキャンペーンがあったとはいえ、シボレーコルベットZ06クーペーが日本で公衆の面前に触れるのは今回が初めてとなる。
コンバーチブル同様、6.2リッターのLT4型スモールブロックOHVユニットにスーパーチャージャーを装着し485kWつまり659馬力(PS)と最高出力と881N-mつまり89.8kg-mの最大トルクを発揮する。
そのスーパーチャージャーはV型エンジンのバンク内に納められるほどコンパクトなもので、6.2リッターとしてはかなりサイズの小さいLT4型エンジンの全高から1インチ(2.54cm)しかサイズアップしていない。そのスーパーチャージャー自体はカバー内に納められているのでそのものズバリを見ることはできないが、カバー前端のプーリーからその存在を推し測ることは出来る。
またカーボン製のボンネット内側の防音インシュレーターにはコルベットのエンブレムとZ06のロゴが踊っている。
そのZ06クーペ、実はさらにパフォーマンスをアップさせるZ07パッケージ装着車をお披露目のクルマとして用意してきた。
パフォーマンスアップの目的はサーキットでの性能強化。サーキットスピードでの更なる空力性能向上とブレーキ性能の強化、そして高性能タイヤによるコーナーリングフォースの向上がパッケージ内容となる。
空力面ではフロントリップスポイラーからサイドに伸びるウィングレットを大型化しフロントのリフトを軽減、というよりも積極的にダウンフォースを発生させるカナード的役割を持たせてある。またコンバーチブルの展示車にも装着されていた3分割リアスポイラーは本来はZ07パッケージのものとなる。センターの強化ポリカーボン部分の高さを変えることでリアのダウンフォースを調整できるというものだ。
カーボン製のサイドスカートはZ06の標準装備となる。またリアフェンダー上部にあるエアインレットはリミテッドスリップデフやトランスミッションの冷却用で、ここにフラップを装着することで、より多くの空気を導入することを可能とした。
シートはZ51クーペでも採用されるマグネシウム合金製フレームを持つコンペティションシート。シートバックに大きく開いたカーボン製のベルトホールはハーネスタイプのシートベルトに対応する。いや、それ以上にHANSを装着するのに適した大型のホールとなっている。
トランスミッションは共に新開発の8段ATと7段を選択できる。そのシフトレバーの前方には650馬力を誇示するプレートが輝く。
余談だが、日本ではメートル法を基準とした馬力表示(PS)となるためにコルベットZ06は659馬力(PS)と表記されるが、アメリカではインチ法を基準とした馬力表示(HP)となるため650馬力(HP)となる。今や世界標準となる出力表記のkwでは485kwとなっている。
659馬力というパワーは、日本のみならず、アメリカやドイツ以外のヨーロッパの公道で、それを味わうことはほぼ不可能であろう。そんな理由もあってか、アメリカ本国では中規模以上の都市であれば必ず近辺にサーキットが存在し、コルベットのクーペオーナーの大半はサーキット走行を楽しんでいるという。
そんなサーキットの週末を思う存分楽しむためのパフォーマンスキットがZ07パッケージであり、コルベットZ06クーペには必須ともいえるパッケージではないだろうか。
シボレーコルベットZ06クーペ 7段MT車は発売が開始され、8%消費税込車両本体価格は1265万円から1588万4千円。クーペ8段ATとコンバーチブルは2015年冬の発売予定で価格は未定となっている。
(TEXT:松永和浩)
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