キャデラック CTSスポーツワゴン 新車発表会速報
- 筆者:
- カメラマン:オートックワン編集部
GMが提案する“セダンにプラスしたユーティリティ”
キャデラックCTSに新モデル“スポーツワゴン”が追加された。
CTSシリーズでは初のワゴンモデルとなるこのスポーツワゴン。特徴的な鋭いエッジを利かせたボディ面はセダン同様、インパクトある新たなワゴンスタイルを魅せてくれる。
エンジンは3.0L(273ps/30.8kg・m)と、3.6L(311ps/38.1kg・m)の2機種を設定し、スタンダード/ラグジュアリー/プレミアム/3.6プレミアムの4グレード構成。トランスミッションは6速ATのみとなるが、CTSセダン同様、強烈なアメリカンFRの走行性能が自慢だ。
実はこのCTSスポーツワゴン、ワゴンは確かにワゴンなのだが、典型的なステーションワゴンというよりかは、ニュアンスが今ひとつ違うようだ。
「セダンにプラスした、新しいユーティリティスタイルの提案です」と説明するのは、GMアジア・パシフィック・ジャパン(以下:GMAPJ)で商品企画を統括する中野哲氏だ。
話をうかがえば、CTSスポーツワゴンのボディサイズはCTSセダンと全て同じだという。通常のステーションワゴンであれば、同シリーズでもセダンに比べ少なくとも全長は伸びる。
さらに後輪トレッドの幅も広がる傾向が常だが、こちらも全く同じだ。もちろんホイールベースもだ。このことから、中野氏が説明する“セダンにプラスしたユーティリティ”という表現には、一応の合点がいく。
しかし、このGMのコンセプト内容が日本のユーザーにどう響くかが問題だ。ご存知の通り、日本でのワゴン需要は壊滅状態。ターゲットユーザー層に関してGMは、主に高級SUVユーザーを獲得したいと意欲を見せる。
そこに新たなアメリカ仕込みのワゴンエッセンスを注入して、新規ユーザーの獲得を狙いたいところだが、まずは日本人の多くがイメージする“ワゴン=商用車”的な部分を払拭させる必要性がある。CTSスポーツワゴンがそこをどうイメージチェンジさせるかが、今後の見どころになるのではないかと感じる。
GMは今回、このスポーツワゴンの他に、CTSセダン/CTS-V/STSの2010年モデルを導入したことをはじめ、さらにデトロイトで披露されたCTSクーペについても、今夏日本への導入予定という点も併せて発表した。
さらに同日は、GMAPJの新社長、石井澄人氏の就任挨拶も行われ、今後の経営戦略を含めた、GMAPJとしてのあり方などを示唆した。
石井澄人新社長は会見で「昨今、猛烈な勢いで拡大をし続けているソーシャルメディアを、有効に使っていきたい」と述べ、ネットへの広告配信を強化していく考えを示した。
また、日本での輸入車販売低迷の現状や、街でもあまりGM車自体が見られないという記者からの質問に対して、
「大きくなりすぎてしまったGMは、いつしかお客様の顔が見えなくなってしまった。今一度基本に立ち返り、クルマとは何であるのかという点を追求したい。そこから多くのお客様に認めてもらい、販売へ繋げていけるよう努めていきたい」と、胸中を述べた。
老舗GM。今後の日本での活躍に、是非とも期待したい。
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