BMW Z4 SDrive 35is 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
340ps/45.9kgmまで高められたエンジンと「オーバーブースト機能」
35isには、35iと同じ「3リッター直6DOHCツインターボエンジン」がチューンアップされて搭載されている。トランスミッションは「7速DCT」だ。
念を押すと、このエンジンは新しい535iなどに採用されているツインパワーターボ仕様(排気流がツインスクロールで、ターボチャージャーは1基)ではなく、ツインターボ仕様(ターボチャージャーが2基)であり、また直噴でダブルVANOSを備えるが、バルブトロニックは未採用だ。
進化の早いBMWにあっては、もはやこのエンジンも「旧型」と呼ばれるほどだが、制御がこなれているせいか、こちらのほうが今のところフィーリングがよいと筆者は感じている。
とくに、中~高回転域の吹け上がりの気持ち良さが違う。それをさらに35isへ搭載するにあたり、吸気系を最適化し、ブースト圧を高めるなどして出力の向上を図ったという。
訊けば、これまで排気温度の制約が厳しかったので出力を抑えていたところ、タービンハウジングやタービンローターの材料を見直すことで、より高い排気温度でも回せるようにしたとのこと。
それに合わせて制御を見直し、本来出せるところまで出力を上げることができた、というわけだ。エンジン本体に大きな変更はない。
これによりエンジンスペックは、35iに比べて最高出力が25kW(34ps)UPとなる250kW(340ps)、最大トルクが50Nm(5.1kgm)UPとなる450Nm(45.9kgm)に達している。
さらに、オーバーブースト機能を備え、アクセルペダルを急激に踏み込むと、一定時間ブーストアップし、最大トルクが50Nmアップの500Nmとなるのだ。
この記事にコメントする