BMWの王道・本流「3シリーズ」がマイナーチェンジ/BMW 新型 3シリーズ セダン/ツーリング 試乗レポート(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志・ビーエムダブリュー
日本市場も重視したBMWを代表するモデル
BMW「3シリーズ」は、BMWブランドを代表する車種といえるだろう。ミドルサイズのボディに大人4名が快適に乗車できる室内空間を備え、スポーティーな運転感覚に重点を置いて開発されている。
初代モデルの発売は1975年だから、「フォルクスワーゲン ゴルフ」とほぼ同じ約40年の歴史がある。1977年に追加された「323i」は、ミドルサイズのボディに直列6気筒の2.3リッターエンジンを搭載。ZF製の5速MTは、5速目のギヤ比が1.000であった。1速は4速MTと同じ3.764だから、5速のギヤを設けることで、ギヤ比の間隔が狭いクロスレシオとしている。燃費を節約するためのオーバードライブとは違う、高回転域を維持するための5速MTで、BMWの走りに対する真剣な姿勢を感じたものだ。当時の3シリーズはボディもコンパクトで、全長は4355mm、全幅は1610mm。運転のしやすさも特徴だった。
この後、3シリーズもほかの膨大な車種と同様にフルモデルチェンジでボディを拡大させたが、全幅は1800mmで歯止めを利かせている。欧州仕様の数値は1811mmだから、日本仕様はドアノブなどの外装パーツに変更を施して1800mmに収めた。今ではフォルクスワーゲンゴルフの全幅も1800mmに達しており、3シリーズは輸入されるセダン&ワゴンでは取りまわし性が優れた部類に入る。日本市場を大切に考えている証でもあるだろう。
マイナーチェンジで安全装備もさらに充実
現行3シリーズは2012年に発売された。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を2810mmに拡大して後席の居住性と走行安定性を向上させるなど、商品力を高めている。直列4気筒2リッターのクリーンディーゼルターボを割安な価格で設定したことも特徴だ。
2015年8月にはマイナーチェンジを発表して、9月から販売が開始された。
歩行者を検知できる「衝突回避・被害軽減ブレーキ/緊急自動ブレーキ」、車間距離を維持しながら自動的に加減速を行って停止状態までカバーできる「アクティブ・クルーズ・コントロール」、通信機能を利用して救急や消防に連絡できる「BMW・SOSコール」などを加えた。
エンジンも刷新され、新世代の直列6気筒3リッターターボを搭載する340iを設定している。サスペンションについても、ショックアブソーバーなどを見直した。
この記事にコメントする