ボルボ 新型S60 試乗レポート/松下宏(1/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:オートックワン編集部
全面的に新しくなったボルボS60
ボルボのS60が約10年振りのフルモデルチェンジを受けた。
クーペを思わせるようなスタイリッシュなセダンデザインは、旧型でも今回の新型S60でも変わらない。
AピラーからCピラーへと流れるようなルーフラインを持ち、抑揚のあるボディサイドのプレスラインなどが特徴。
フロント回りは最近のボルボ顔が採用され、ややアグレッシブな印象。リアビューもテールランプのデザインなどがいかにもボルボらしい形状とされている。
インテリアはボルボならではのフローティング・センター・スタックが採用されたが、この形状がややドライバー側に傾けてデザインされているのが目新しい。ボルボもドライバー・オリエンテッドを意識するようになってきている。
新型S60では安全装備が進化し、XC60から採用が始まったシティ・セーフティに続き、ヒューマン・セーフティと呼ぶ新システムが採用された。
これは前方の歩行者を認識して急停止するもので、時速35kmまでなら歩行者との衝突を避けて停止できるという。
このほか、新開発の1.6Lの直噴ターボエンジンを搭載するなど、プラットフォームからパワートレーン、デザインから安全装備まで全面的に進化したのが今回のS60だ。
大きなボディは日本に配慮した仕様
ボディサイズはひと回り大きくなった。
全長は4630mmだからさほどではないが、全幅は1845mmとかなり大きめ。それでもこの全幅は日本専用に設計されたドアミラーやドアハンドルによるもので、駐車場事情に配慮して欧州仕様に比べて50mm以上も抑えた数字だ。
前席への乗降性は問題ないが、後席はルーフラインの影響もあってやや頭をかがめるような形で乗り込むことになる。
乗り込んでしまえば後席は必要十分な広さがあり、足元はゆったりした感じだし、頭上にも必要な空間が確保されている。
安全装備はシティ・セーフティやDSTCなどが全車に標準で装備されるほか、ヒューマン・セーフティを含めてセーフティ・パッケージが用意されている。
最上級グレードには標準装備、それ以外にはオプションで、全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズコントロール)、歩行者検知機能付き追突回避・軽減フルオートブレーキ・システム(ヒューマン・セーフティ)、車間警告機能、ドライバー・アラート・コントロール、レーン・デパーチャー・ウォーニング、BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)などがセットでオプション設定されている。
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