ボルボ 新型S60 試乗レポート/松下宏(3/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:オートックワン編集部
ボルボらしからぬスポーティな走り
新型S60に試乗して感じたのは、ボルボとは思えないようなダイナミックな走りが可能なスポーティなクルマに仕上がっていることだ。
電子制御パワーステアリングはギア比が10%ほどクイック化されるとともに、ワインディングを走るときなどはDSTC(横滑り防止装置)の中に含まれるコーナー・トラクション・コントロールの機能が介入し、トルクベクトルを調整して滑らかなコーナリングを実現する。
走り出してすぐのときにはシャープなステアリングレスポンスに驚かされたほどで、ワインディングのタイトなコーナーも気持ち良く駆け抜けていくことが可能。ボルボらしからぬスポーティさが味わえる。
このステアリングフィールは3段階に調整できるので、好みの味付けに変えて走れば良い。S60のDSTCはさまざまな機能が盛り込まれた最新の仕様で、コーナー・トラクション・コントロールのほかにも、安全運転を助ける機能がいろいろと用意されている。
またノーマルモードとスポーツモードを切り換えることもできる。スポーツモードを選べばテールスライドを許容するようになるという。
競合車に対し割安感のある価格設定
S60のラインナップはDRIVe、T6AWDSE、T6AWDRデザインの3グレード。
ベースグレードのDRIVeには375万円の価格が設定されていて、Cクラス、3シリーズ、A4などのライバル車に比べてはっきりと割安。
実際に購入するときにはセーフティ・パッケージとナビゲーション・パッケージ(それぞれ25万円)を装着することになるが、425万円で比較しても十分に安い。
T6AWDSEは519万円で、アウディA42.0Tクワトロと1万円の差。
モデルの新しさ、装備の中身などを含めて考えると、今回のS60のほうが相当に買い得な印象になる。
4WD同士で排気量が2.0Lと3.0Lという違いがあるのに、ほぼ同価格にぶつけたのは、ボルボがアウディを相当に意識していることを示している。
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