フォルクスワーゲン シロッコ 1.4TSI 試乗レポート/森口将之

フォルクスワーゲン シロッコ 1.4TSI 試乗レポート/森口将之
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大幅なプライスダウンにプラスαのシロッコ1.4TSI

VW シロッコ TSI

フォルクスワーゲン(VW)のスポーツクーペ、シロッコがこの秋、大幅なプライスダウンを断行した。

といってもフラッグシップのRは515万円のままで、2.0TSIは13万円アップして460万円となった。値下げされたのは1.4リッターエンジンのTSI。なんと44万円も引き下げて348万円になったのだ。

そのぶんナビゲーションシステムがオプションになったが、それを加えても374.25万円だし、安価なPNDを選ぶという手もあるから大きな問題ではない。

シロッコはヨーロッパでは、同じエンジンを積むゴルフに近い価格で販売されている。それだけに上陸直後から、値段については批判的な意見が多かった。VWがその声に耳を傾けた結果といえるだろう。

もうひとつ、プジョーRCZというライバルが登場したことも抜きには語れないはずだ。欧州ではシロッコより高価なRCZだけあって、見た目のインパクトは上。でも399万円という価格は以前のシロッコTSIとほぼ同じだったのだ。さすがのVWも意識せざるを得なかったということなのだろう。

しかもTSIはパワートレインの改良によって、エコカー減税適合車になった。実質的には値下げ以上のお買い得感があるわけだ。

装備では2.0TSIともども、モビリティタイヤを装備した点が以前のモデルと異なる。クギなどでタイヤに穴が開いても、それが直径5㎜以下なら、タイヤのトレッド内側に塗られた特殊高分子ポリマーの粘着特性を利用して穴を瞬時にふさぎ、走り続けることが可能というタイヤである。

それだけに、タイヤの変更で走りがどう変化するか興味があったが、結果からいえば以前とほぼ同じ印象だった。

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手が届きやすくなったシロッコはお財布にもやさしく、走りも十分

VW シロッコ TSI
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まず乗り心地は、見た目から想像するよりも固い。山道でハンドリングを堪能しているときはこれでもいいと思えるが、街中ではかなりハードで、ロードノイズも気になる。

同じシロッコでも2.0TSIには、運転席のスイッチでダンパーの減衰力を3段階に変えられるアダプティブシャシーコントロールDCCが標準装備されているので、はるかに乗り心地がいい。TSIにもDCCが欲しいという気持ちは、今回も変わらなかった。

しかしそのぶん、ハンドリングはすばらしい。

ステアリングの切れ味はクイックだし、低く幅広い車体と固められた足回りはロールの発生を抑え、路面にピタッと張りついたように曲がっていく。こうしたシーンでのシロッコTSIは、完璧なスポーツカーである。

1.4リッター4気筒にターボとスーパーチャージャーを装着して160ps/24.5kgmを発生するエンジン、乾式クラッチを使った7速DSGのトランスミッションは以前と同じだ。

加速感もいままでどおりで、唐突につながる乾式クラッチのために発進はギクシャクしがちだが、それ以外の状況では軽快に回転を上げ、スムーズかつ爽快に加速していく。

速さそのものにも不満はない。一般的な走り方をする限り、2.0TSIは不要といい切ってしまえる。それでいて燃費はよく、減税の恩恵も受けられるのだからいうことない。

4人乗りのハッチバックとしても使える巧妙なパッケージングもシロッコの魅力だ。その気になればゴルフの代わりも務まる。乗り心地が固いのは残念だが、走りは楽しく、エコでもあるうえに、実用性も高いのだ。

それが従来より44万円も安い価格で手に入るようになった。このプライスならシロッコを買ってもいいという人は多いのではないだろうか。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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