松下寸評 ~エコカー補助金終了後のメーカー対策~
- 筆者: 松下 宏
エコカー補助金終了後の新車購入
9月末まで予定されていたエコカー補助金が9月上旬の時点で予算切れになった結果、9月の新車登録台数は4.1%のマイナスに転じてしまった。軽自動車は4.6%の増加を示したが、トータルではマイナス成長に終わっている。
こうしたニュースを聞くと、何となく新車の買いどきが終わってしまったような気分にさせられるが、本当にそうだろうか。確かに、10万円または25万円(軽自動車はその半分)の補助金がなくなってしまったのは大きいが、今でもエコカー減税は続いている。
エコカー減税はエコカー補助金とは別に、クルマの環境性能に応じて購入時の自動車取得税や自動車重量税が半額、75%減、免税のいずれかになるほか、翌年分の自動車税も安くなるというメリットが受けられる。
これまで、300万円くらいのクルマを買って25万円くらいのメリットを受けていたクルマは、そのうち10万円の補助金がなくなったものの、15万円のエコカー減税はまだ生きている。
環境性能があまり高くないクルマは、エコカー減税が受けられずにエコカー補助金だけだったため、それがなくなったのは大きいが、環境性能の高いクルマを選べば今でも十分にメリットがあるのだ。
これをベースに、メーカー、インポーター各社の対応が加わる。各社とも10月からの落ち込みに備えてさまざまな販売促進策を考えており、これによるメリットもあるのだ。
以下、メーカーごとに各社の対策を紹介しておこう。
メーカーによって対応に違いはあるが、メーカーが音頭をとってキャンペーンを展開するのに加え、ディーラーが独自の立場で値引き対応を図るから、エコカー補助金終了後の新車購入にも、まだまだお得感があると思っていい。
自動車取得税や自動車重量税のエコカー減税は2014年春まで続くので、あまり急ぐことはないという考えもあるが、上記の各社のキャンペーンは取り敢えず10月~11月までというものが多い。期間を明示していないキャンペーンもあるが、そうしたものはいつ終わるか分からない。
なので、新車を買う予定のある人は、それを先伸ばしにするより、早めに買ったほうが有利になると思っていい。
エコカー補助金終了前の駆け込み需要で、年内くらいに買おうと思っていた人の多くはすでに新車を購入してしまったかも知れないが、今の時点で迷っている人がいるなら、これはもう迷わずにエコカー減税と各社のキャンペーンをゲットしておいたほうが良い。
今後の見通しは何ともいえないが、新車の売れ行きの落ち込みが拡大していくようなことになると、改めて補助金復活という議論になることも考えられる。ただ、国の予算も厳しい状況が続いているので、簡単に復活するとも考えにくい。今の時点で補助金復活に期待していると、買いのチャンスを逃すことになりかねないので注意が必要だ。
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