軽自動車はガソリン車よりEVのほうが補助金で10万円以上も安い!? 軽EVが日本で売れる理由や走りの魅力を解説

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:佐藤 正巳/森山 良雄/茂呂 幸正/日産自動車/トヨタ自動車/フォルクスワーゲングループジャパン
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日本国内におけるEV(電気自動車)の普及はまだまだこれからといった印象ですが、実は「軽自動車のEV」に限って言えば、非常に堅調な売れ行きを見せています。

その理由は、軽自動車のボディサイズや使われ方が、電気自動車の機能にピッタリと合っているからです。なおかつ国や自治体からの補助金を活用することで、ガソリン車よりも安く購入できる驚きのケースもあります。

この記事では、大ヒット中の日産 サクラや、注目のホンダ N-ONE e:などの実例を交えながら、なぜ今軽自動車のEVを選ぶのが正解なのか、その驚きの価格メリットや走行性能など、断然オトクな理由をカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが詳しく解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 補助金フル活用でガソリン車より安い!? 軽EV 2車種の実質価格を検証
  2. 安定感とパワーあり! 走行性能における軽EVのメリットとは?
  3. 日本のEV市場で軽自動車は堅調! 商用車も含め車種も充実
  4. 近所乗りメインなら最適! 日本の住宅・道路事情に軽EVがハマる背景
  5. BYDも参入で選択肢拡大! 軽EVの9つのメリット

補助金フル活用でガソリン車より安い!? 軽EV 2車種の実質価格を検証

「航続距離180km」という割り切りが、現実的な価格を生む

一般的に、EVは長距離移動が苦手です。1回の充電で長い距離を走るには大容量の駆動用電池が必要となり、車両重量が増して、モーターの性能も高めねばなりません。結果として、車両価格も上昇してしまいます。

しかし、用途を短距離移動に割り切れば、ボディは軽自動車のサイズに収まり、駆動用電池の総電力量(電池容量)も20kWhから30kWh程度で済みます。

これにより価格も抑えられ、現実的に購入可能な金額になります。

日産 サクラの実質価格シミュレーション

例えば日産 サクラ(Xグレード)は、1回の充電で走れる距離がWLTCモードで180kmに留まりますが、価格も259万9300円に収まっています。ここに国から交付される補助金額57万4000円を差し引くと、実質価格は202万5300円となります。

一方、日産 リーフのベーシックな「B5X」は、1回の充電で469kmを走れますが、価格は473万8800円です。国が交付する補助金額の129万円を差し引いた実質価格は344万8800円となります。

サクラ Xの202万5300円に比べると、約1.7倍の価格差に達します。

1回の充電で走れる距離
(WLTCモード)
車両価格国からの補助金額実質価格
サクラ X

180km

259万9300円

57万4000円

202万5300円

リーフ B5X

469km

473万8800円

129万円

344万8800円

普通車のEVは、補助金を差し引いても同サイズのハイブリッド車と同等か、それ以上の価格になります。全般的に高価格であるからこそ、軽自動車EVの価格メリットが際立つのです。

ガソリン車のルークスよりも安価に手に入る!

さらに、補助金額に注目してみましょう。前述の通り、サクラ Xの価格は259万9300円で、国から交付される補助金額57万4000円を差し引くと、実質価格は202万5300円です。

驚くべきことに、この金額はガソリン車である日産 ルークス ハイウェイスターGターボの215万9300円よりも少し安くなります。

補助金は自治体からも交付されており、例えば東京都の場合、サクラにはメーカー別上乗せ補助額を含めて60万円が交付されます。

これも差し引くと実質価格は142万5300円にまで下がり、ベーシックなガソリン車である日産 デイズ Sの143万7700円と同等になります。さらに東京都千代田区の場合、別途20万円も交付されるため、最終的な実質価格はなんと122万5300円になります。

交付される補助金額サクラ X
実質価格
比較対象のガソリン車(参考価格)
車両本体価格

-

259万9300円

-

国の補助金

57万4000円

202万5300円

ルークス ハイウェイスターGターボ(215万9300円)より安価

+東京都の補助金

60万円

142万5300円

デイズ S(143万7700円)と同等

+千代田区の補助金

20万円

123万7700円(※)

-

ホンダ N-ONE e:の実質価格シミュレーション

ホンダ N-ONE e:Gの補助金額も同様です。国の交付額が57万4000円、東京都からは(メーカーが異なるためサクラよりも10万円安い)50万円、そして千代田区から20万円が交付された場合、すべてを差し引いた最終的な実質価格は142万5400円になります。

交付される補助金額N-ONE e:G 実質価格比較対象のガソリン車(参考価格)
車両本体価格

-

269万9400円(※)

-

国の補助金

57万4000円

212万5400円

-

+東京都の補助金

50万円

162万5400円

-

+千代田区の補助金

20万円

142万5400円

N-ONE Original(176万7700円)より大幅に安価

この金額は、ノーマルガソリンエンジンを搭載するN-ONE オリジナルの176万7700円に比べて大幅に安くなっています。

安定感とパワーあり! 走行性能における軽EVのメリットとは?

重心が低く、横風にも強い圧倒的な走行安定性

これほど価格が抑えられている軽自動車のEVですが、N-ONE e:に試乗してみると、走りの違いにも注目させられました。

軽自動車は全車の全幅が1475mmに制限されている一方で、全高は大半の車種が1500mmを超えています。全高が全幅を上まわる縦長のボディ形状であるため、カーブを曲がる時にはボディが大きく傾きやすく、横風にあおられると進路を乱しやすい傾向があります。

しかし、EVであるN-ONE e:は、ガソリンエンジンを搭載するN-ONEよりも安定して走行します。

重い駆動用リチウムイオン電池を床下に設置したことで重心が下がり、さらに衝突時に電池を守るためにボディ剛性も高められているからです。

N-ONE e:とガソリン車のN-ONEを乗り比べると、前者の安定性が高く、乗り心地も重厚に感じられます。

ターボ車以上の駆動力で坂道も余裕の動力性能

動力性能にも明確な差があります。

N-ONE e:の性能は、最高出力が64馬力、最大トルクは16.5kg-mに達します。ガソリン車のN-ONEが搭載するノーマルエンジンは58馬力、6.6kg-m、ターボ車でも64馬力、10.6kg-mなので、N-ONE e:の最大トルクは非常に強力です。最大トルクは最高出力以上に、実際の加速性能を大きく左右します。N-ONE e:の16.5kg-mは、小型車に相当する数値で、走りに与える影響も大きいです。

しかもモーターは、エンジンに比べるとアクセル操作に対する反応が機敏で、アクセルペダルを踏み込んだ直後から力強い加速を開始します。

このモーターの特性に加えて、動力性能の数値自体もターボ車を上まわるため、N-ONE e:は登り坂の走りにも余裕があります。

軽自動車は全幅が狭いために走行安定性に不安があり、エンジン排気量が660ccと小さいためにパワー不足を感じやすい側面がありますが、EVのN-ONE e:はこの2つの走りの欠点を見事に解消しています。

これは小型/普通車のEVとは異なる、軽自動車ならではのEVを選ぶ大きなメリットです。

日本のEV市場で軽自動車は堅調! 商用車も含め車種も充実

日本では、エンジンを搭載しない純粋なEV(電気自動車)の販売は低調です。2025年の国内乗用車販売台数に占めるEV比率は僅か1.4%でした。ハイブリッド車が47.3%に達するのに比べて、圧倒的に少ない状況です。

このようにEV全体の人気は低迷していますが、軽自動車のEVは比較的堅調です。軽自動車サイズのEVとなるサクラは、2025年に1か月平均で1174台を届け出しました。

発売から3年を経過したため、前年の1911台に比べると約62%の売れ行きですが、リーフの1か月平均約300台、日産 アリアの約110台、トヨタ bZ4Xの約220台に比べると、サクラの販売台数は圧倒的に多いです。

現在の軽自動車の乗用EVには、サクラと基本部分を共通化した三菱 eKクロス EV、そしてN-ONE e:があります。また、軽商用車のEVも豊富で、ホンダ N-VAN e:、ダイハツ e-ハイゼットカーゴ&e-アトレー、三菱 ミニキャブEV&日産 クリッパーEVなどが揃っています。

日本では軽自動車のEVが、仕事に使う軽商用車も含めて非常に充実しているのです。

近所乗りメインなら最適! 日本の住宅・道路事情に軽EVがハマる背景

この背景にあるのは、日本のクルマの使用環境です。日本はマンションなどの集合住宅が多く、総世帯数の約40%を占めるとされ、都市部では70〜80%に達します。

集合住宅に充電設備を後付けするには、自治会(管理組合)の同意を得る必要もあり、現実的には困難です。新築マンションなら設置が可能ですが、充電スペースを1台分しか確保していないことが多いのが実情です。

そうなると、EVの所有に適しているのは、一戸建てに住み、複数のクルマを所有するユーザーとなります。郊外の公共交通機関を利用しにくい地域にお住まいの方も含まれます。

セカンドカーとして自宅で充電する賢い使い方

このような使用環境では、長距離を移動する時に使うミニバンやSUVなどをファーストカーとし、買い物など短距離移動用の軽自動車をセカンドカーとして併用することが多いです。

このセカンドカーの軽自動車をEVに置き換えると、とても便利です。

午前中に出かけて帰宅したら充電し、夕方に出かけて戻ったら再び充電する、といった使い方をすれば十分に充電ができ、給油所(ガソリンスタンド)へ出かける必要もなくなります。

ガソリンスタンド減少問題もEVなら解決

ちなみに給油所は、1994年には全国で6万箇所以上が営業していましたが、今は半分以下の約2万7000箇所にまで減少しています。

特に郊外では、給油所まで長い距離を走る必要がある地域も増えています。その点においても、自宅で充電できるEVは使いやすいと言えます。

BYDも参入で選択肢拡大! 軽EVの9つのメリット

以上のように、日本でEVを買うのであれば、現状は軽自動車がベストな選択肢と言えます。

2026年の7月から8月には、中国メーカーのBYDも軽自動車サイズのEV「ラッコ」を発売予定です。

ホンダ N-BOXのような背の高いスライドドアを装着した軽自動車EVなので、好調に売れる可能性がとても高いと予想されます。

最後に、EVと軽自動車の親和性が高く、購入がお得な理由をまとめます。

軽EVのメリット・お得な理由

・買い物などのセカンドカー利用なら、航続距離の不満は出にくい

・モーター駆動はガソリン軽よりもトルクが高く静か。加速も滑らか

・バッテリーによる低重心化で、横風にも強く走行安定性が高い

・走行音がとても静か。深夜の住宅街でも気兼ねなく運転できる

・自宅で充電できるため、わざわざ給油所に行く手間が省ける

・元の価格が安いうえに補助金が手厚く、実質価格が非常にお得

・1500Wの外部給電は、ビジネスやアウトドアの電源として便利

・排出ガスを発生させないため、倉庫内など屋人での業務にも使いやすい

・今後は海外メーカー参入などで車種が増え、さらに選択肢が広がる

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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳/森山 良雄/茂呂 幸正 画像提供:日産自動車/トヨタ自動車/フォルクスワーゲングループジャパン】

ホンダ/N-ONE e:
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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