ランドクルーザー、GT-Rの車両盗難を防げ! 絶対にされたくない自動車盗難、単にセキュリティシステムを付けるだけでは万全じゃなかった

  • 筆者: 小鮒 康一
  • カメラマン:MOTA編集部・TOYOTA・NISSAN
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日本損害保険協会の調べによると、車両盗難ワースト1位は“ランクル”こと「トヨタ ランドクルーザー」だという。このほか海外人気の高い「日産 GT-R」といった数多くの高級モデルが被害に遭っている現状だ。こうした被害を防ぐためには、セキュリティシステムを付けるだけではダメなのだという。クルマのカスタムパーツやカー用品にも精通する自動車ライターの小鮒 康一氏が、最新の盗難対策事情に迫る!

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目次[開く][閉じる]
  1. 以前から被害の多いランクルやハイエースに加え、90年代の「スカイラインGT-R」などの被害も急増中
  2. 衝撃の事実! 組織的な自動車盗難は“顧客からの発注”があってから動く!?
  3. 「セキュリティシステムを付けたから安心」ではない!?
  4. 目立たないところに駐車するのは一長一短!?

以前から被害の多いランクルやハイエースに加え、90年代の「スカイラインGT-R」などの被害も急増中

クルマを愛する人にとって、絶対に起きて欲しくない自動車盗難。しかし、SNSなどを見ても定期的に盗難されたという投稿が拡散されており、他人事ではないとヒヤヒヤしている人も多いのではないだろうか?

昔から盗難のターゲットになりやすい「トヨタ ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」「ハイエース」「レクサス」といった定番車種に加えて、最近では高騰が続く90年代スポーツカー、「日産 スカイラインGT-R」や「トヨタ スープラ」もターゲットとなることが増えてきているのはご存知の通り。

そこで今回は、盗難対策に詳しいセキュリティ業界への取材などを通じてわかった、最新の車両盗難の対策についてお伝えしよう。

衝撃の事実! 組織的な自動車盗難は“顧客からの発注”があってから動く!?

自動車盗難のほとんどは行き当たりばったりの犯行ではなく、組織的な犯行の場合が多い。犯行グループは手当たり次第に盗んでいるわけではなく、なんと“顧客”からの要望があって初めて行動に起こすというのだ。そう教えてくれたのは、盗難対策アイテムであるブレーキペダルロックをリリースするブレーキロックジャパン。

実際のところ、日本で盗難される人気車種の多くは海を渡って海外へ持ち出されるケースが多く、そういった要求を受けて実行グループが動きだす。ただやみくもに盗んでいたのでは、盗難車を手元に置いておく時間が長くなり、それだけ摘発されるリスクも上がるため、盗んだら即送り出せるようにしているというのである。

犯罪者たちは常に目を光らせ「盗難可能な車両リスト」の作成にいそしんでいた

そのため普段犯行グループは、需要の高い車両が何曜日の何時に駐車場にあるかなどのリスト化に勤しみ、注文が入ったタイミングで実行に移すということになる。

盗難されやすい車種に乗る多くのユーザーは、購入直後は気にするものの、しばらく経つと盗まれないと安心しがちだが、実はリストアップされているということを覚えておいてもらいたい。

なお、海外のエンドユーザーは盗難車と知って乗っている者もいれば、盗難車だと知らずに乗っている者もいるようで、このあたりの問題も根深いものがあると言えるだろう。

「セキュリティシステムを付けたから安心」ではない!?

防犯意識の高いユーザーであれば、後付けのセキュリティアイテムを装着している人もいることだろう。中には「純正でセキュリティがついているから安心」という人もいるかもしれないが、純正セキュリティは車両窃盗グループによってすでに研究し尽されており、簡単に解除されてしまうそうだ。

では後付けのセキュリティアイテムを付ければ安心なのかというとそれもどうやら違うらしい。ブレーキロックジャパンによると、市場に出回っている数多くのセキュリティアイテムも、車両窃盗グループが本気を出せば解除できないものはないという。それはブレーキロックジャパンが販売するブレーキペダルロックも例外ではない。

ただし、セキュリティを解除するにはそれなりに時間がかかってしまうため、車両窃盗グループ側からしてみても作業中に発見されるリスクが高くなる。それであればリストにあるもっとセキュリティの薄い車両を盗もう、ということになるのである。

「セキュリティシステム」とは“盗まれにくくする”ための仕掛けだった

つまり、セキュリティアイテムは車両を盗めないようにするものではなく、車両を盗みにくくなるものというワケだ。

そのため、複数のセキュリティアイテムを組み合わせて装着するのは非常に効果的だとブレーキロックジャパンは話す。1つだけでは簡単に解除できるセキュリティアイテムだったとしても、それが複数個になることで必然的に時間がかかるため、車両窃盗グループの盗む気を削ぐのに十分効果があるのである。

目立たないところに駐車するのは一長一短!?

大切な愛車は他人の目に触れにくい場所にコッソリ保管したい……と考える人もいるかもしれない。確かに人目につかなければ盗難のターゲットになることもないため、一見すると理にかなっているようにも思えるだろう。

しかし、不幸にも車両窃盗グループによってその車両が人目につかない場所に駐車していることが判明してしまった場合、その場所が諸刃の剣となってしまう。

人目につかない場所というのは、言い換えれば盗み出す作業をじっくりとすることができる環境ということになる。また盗み出すことに失敗したとしても、他人に犯行現場を見られる可能性も低いため、車両窃盗グループにとってはローリスクな環境となるのである。

犯罪者に「面倒だ」と思わせる事も重要な手立てだった

このように組織化された車両窃盗グループからしてみれば、一番厄介なのは盗み出すまでに時間のかかるクルマということになる。

そのため、高価なセキュリティアイテムだけでなく、アナログなステアリングロックやタイヤロックといった物理的に破壊するのに時間がかかるものも併用することで「めんどくさそう」と思わせることが一番の防衛手段と言えそうだ。

[筆者:小鮒 康一/撮影:MOTA編集部・TOYOTA・NISSAN]

[筆者:小鮒 康一/撮影:MOTA編集部・TOYOTA・NISSAN]

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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