スバル新型インプレッサが挑む“プリウス最強”日本市場の販売戦略

スバル新型インプレッサが挑む“プリウス最強”日本市場の販売戦略
(左)スバル 新型 インプレッサG4(4ドアセダン/プロトタイプ)/(右)スバル 新型 インプレッサスポーツ(5ドアハッチバック/プロトタイプ) (左)スバル 新型 インプレッサG4(4ドアセダン/プロトタイプ)/(右)スバル 新型 インプレッサスポーツ(5ドアハッチバック/プロトタイプ) スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ スバル 新型インプレッサスポーツ 画像ギャラリーはこちら

国内のCセグメントは「穴」

(左)スバル 新型 インプレッサG4(4ドアセダン/プロトタイプ)/(右)スバル 新型 インプレッサスポーツ(5ドアハッチバック/プロトタイプ)

スバル 新型インプレッサの国内販売が順調だ。正式発売は10月25日発売だが、9月1日からの先行予約はすでに6000台を超えた。

本サイトでも既報の通り、9月にメディア向けのプロトタイプ試乗会を実施。その模様はネット媒体や雑誌別冊などで詳細に報道された。

ここでは、日本型Cセグメント市場に特化した様々な仕掛けがあった。例えば、富士重工業のオフィシャルサイトでは、本サイトを含め自動車専門メディア関係者による速攻インプレを動画で掲載。メディアミックスによるセールスプロモーションが功を奏した、といえる。

トヨタ プリウス

近年、国内市場でCセグメントは競合車が少ない、一種の「マーケットの穴」になった。

本来、Cセグメントとは「大衆車のど真ん中」であり、セールスボリュームが大きく、自動車メーカーにとっては「経営の柱」である。Cセグメントは高度成長期から長きに渡り、トヨタ カローラと日産 サニーがツートップとして君臨していた。だが、90年代以降、大衆車の中心がCセグメントよりボディとエンジンサイズがひと回り小さい、Bセグメントに移行。また、トールハイト系の普及などにより軽自動車の乗用化が加速。それに加えて、Cセグメントにトヨタ プリウスという特殊車両が登場し、日本の中小型車市場が一気に様変わりした。

スバルにとって、世界市場を見据えた場合、インプレッサはCセグメントで正々堂々と勝負する商材だ。とはいえ、プリウス最強という日本市場では、他の仕向け地とは「別の戦い方」が必要だった。

1.6L FFとアイサイトが速攻薬になる日本市場

スバル 新型インプレッサスポーツ

実は、新型インプレッサの日本市場でのお披露目は「途中段階」にある。

日本市場の“おおとり”は、年末発売予定の「1.6i-L EyeSight」なのだ。

スバル側の予測では、日本市場の半数以上が先代モデルと同様にFFになる可能性が高く、またFFの需要は2.0L車より1.6L車の方が大きい。そのため、「1.6i-L EyeSight」は、アイサイトバージョン3を標準装備し、価格が200万円を切るというのが、ユーザーにとって最大の魅力だ。

スバル 新型 インプレッサG4(4ドアセダン/プロトタイプ)

9月の先行試乗会では、メディアが最上級モデル「2.0i-S EyeSight」AWDの走行性能をべた褒めした。だが、スバルが日本でもっとも数多く売りたい、いや数多く売れると見込んでいるのは1.6LのFFという最廉価モデルなのだ

一方、スバルの収益の大黒柱であるアメリカ。ここでのインプレッサは、正統派のCセグメント。アメリカでも当然、プリウスがCセグメントに属している。

だが、インプレッサのガチンコライバルは、トヨタ カローラ、ホンダ シビック、ヒュンダイのエラントラ、さらにはVW ゴルフなど多彩だ。

トヨタ プリウストヨタ カローラ(北米モデル)ホンダ シビック(北米モデル)VW ゴルフ

周知の通り、近年のアメリカにおけるスバルブランドに対する顧客のロイヤリティ(=信頼度)の高さは極めて高く、VWのみならず、アウディやBMWから顧客がスバルに流れ込む現象が起こっている。ここでのキーワードは、「高品質でコストパフォーマンスが高いAWD」だ。スバルとしては、新型インプレッサでもこれまでと同じ商品戦略を進めるとしており、アメリカでのFF販売の計画はない。

また、アメリカでは今年中盤以降、自動運転に関する法整備が急速に進み始めており、 ユーザーがADAS(高度運転支援システム)への関心を高めていることも、新型インプレッサの販売に追い風になるはずだ。

こうしてアメリカでは未導入の1.6L FF。日本市場の他、東南アジアや中東の一部でも需要があるようだが、その走り味を一刻も早く味わってみたいものだ。

[Text:桃田健史]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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