ワンランク違う！スバル BRZ STIスポーツ速攻試乗！ STI共同開発の最上級グレードの走りやいかに

最新モデルと比べてもしっかり感がワンランク違う

北海道のスバル美深テストコース完成見学会の際、東京モーターショーでお披露目となったBRZ STIスポーツのハンドルを握ることが出来た。短い時間ながら、テストコースを使いアクセル全開＆テールを振っての味見もしてみたので、簡単な試乗レポートをお届けしたいと思う。

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シフトを1速に送り込んでクラッチミートして走り出すと、あらら？ボディのしっかり感が際立つ。BRZは毎年の如く改良を加えてきたけれど、BRZ STIスポーツはワンランク違う。

後で調べてみたらエンジンコンパートメント部にフレキシブルVバーを、フロントサスにフレキシブルドロースティフナーを入れていた。

車体の動きも、硬いとか柔らかいじゃなく雰囲気が違う。兄弟車のトヨタ 86にオプション設定されているザックス風。これも乗った後に聞いたら「ザックスです。トヨタ 86とは違うルートで味付けしています」。残念ながらショーワ製のダンパーじゃこういった味を出せない。

ちなみにトヨタ 86と同じく韓国製のザックス。御存知の通り「マンドゥ」という韓国のダンパーメーカーをザックスが居抜きで買収したため、構造的には本国のザックスと若干違う。

さらに作動油も本国と違うため、ヨーロッパ車と全く同じ雰囲気にこそならないけれど、ショーワ製より圧倒的に良いと思う。

スバルがサーキット志向！86とBRZ、兄弟車だけど方向性が全然違うクルマに

また、試乗前に判明していたのは、ブレンボのブレーキキャリパーを使っていること。フロントに対向4ピストン。リアにも対向2ピストンを使っている。ホンダ シビックタイプRもフロントにブレンボ使ってるが、リアはチープな普通品。やっぱりブレンボ使うならケチらず前後でしょう！

コーナー攻めてみたら、若干タイヤ性能がパワーに対し高すぎる感じ。215/40 R18のミシュランパイロットスポーツ4を履いており、トルクの薄い2000ccターボ無しだとオーバースペックである。BRZはデビューした時からコーナリング性能の高さにこだわっている傾向。「コントロールする楽しさ」をアピールしたいトヨタ 86と違っていた。

今回乗ったBRZ STI スポーツも一段とグリップ志向で、テールを流すような走りは目指していない。ただボディの剛性を一段と高め、良質なダンパーとの組み合わせで、テールが流れた時のコントロール性は文句なし。そして絶対的なコーナリング速度も高い。

このあたりの「好み」の問題は、相変わらず86と違う方向にあると思った。個人的には競技に出るのでなければ「出力に見合ったタイヤ性能を組み合わせた方が楽しい」と考えるため、この足回りなら今より10％ほど馬力（トルク）のあるエンジンと組み合わせて欲しかったところ。

今やトヨタは車両を自由自在に振り回せるラリー車のような味付けを目差し、スバルがサーキット志向という、一昔前だと逆転したクルマ作りになりつつある。

逆にこのくらい方向性が違うと、クルマを買う方も86とBRZで迷わないで済む？

[Text：国沢光宏　Photo：和田清志]

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