人とくるまのテクノロジー展-日本自動車産業界の未来-/桃田健史(1/2)
- 筆者:
- カメラマン:桃田健史
日本の自動車業界の未来は?
いままさに、世界的な自動車産業大変革が起こっている。そのなかで日本の自動車産業界はこれからいったい、どうなっていくのか?その答えを探るカギが、ここにある。
「人とくるまのテクノロジー展2010」(5月19日~21日、開催地:神奈川県横浜市/パシフィコ横浜)。一般ユーザーにとっては、聞きなれない展示会だ。
ところが、トヨタを筆頭とする自動車メーカー、部品メーカー、そして工学系の学生にとっては「最重要課題のひとつ」なのだ。
なぜなら、同展の主催者が日本自動車産業における「官産学の頭脳集積団体」である日本自動車技術会だからだ。今年は、英国、ベルギー、マレーシア、韓国など海外からの参加を含め、合計338社738省官(1万6700㎡)が出展した。
さらに、併設する会議センターでは、同展開催の3日間に合わせて機械工学、電子工学、材料力学など自動車開発の基盤となる100案件近い学術発表が行われた。
「人とくるまのテクノロジー展」(自動車業界関係者は、『人クル』と呼ぶ)の会場を巡ると、昨今のエコカーブームを象徴するかのように、自動車メーカーブースではEV(電気自動車)、プラグインハイブリッド車などの次世代自動車の存在感が大きい。
トヨタは「プラグイン・プリウス」のカットモデルを展示。
運転席下の「EVチャージャー」や、荷室下の「リチウムイオン二次電池パック」(3.6Vのセルを96個直結・定格電力345.6V、電池容量5.2kWh)など、通常は見れない部品たちの姿が露わになった。
同車は現在、世界600台(うち日本は230台)による実証試験を行っている。この他トヨタは、直立状態で乗車する電動二輪移動体「ウイングレット」の体験試乗会を開催して話題を呼んだ。
ホンダは四輪で「CR-Z」、二輪では今年後半からリース販売予定の電動商用バイク「EV-neo」などの電動小型移動体を展示した。
日産は「フーガGT350」を展示しながら、同「ハイブリッド車」の説明。さらには鳥型ロボットのデモンストレーションによる「ぶつからない車」の実験公開を行った。
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