日本のフィットに足らないのはこの力強さ!? 中国版ホンダ 新型フィット(広汽本田 飛度)の“顔”がカッコいい!
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
ホンダのコンパクトカー「FIT(フィット)」は、日本のみならず世界で生産されるグローバルモデル。中でも中国は、2004年に初代(ハッチバック)の生産をスタートして以来120万台以上を販売した一大市場だ。2020年8月26日、中国でも4代目新型フィットの発売が開始したが、日本仕様とはデザインが少し異なる。現行型フィットにどこか物足りなさを感じているユーザーにも、グッと響きそうな力強さがあるのだ。日本では売られていない「フィット SPORT」の詳細をご紹介!
日本仕様のフィットとはどこが異なる!?
現行型(4代目)フィットは、2019年10月の東京モーターショー2019会場で初披露され、翌2020年2月14日に日本から販売を開始した。“心地よさ”をテーマに開発された新型フィットは、デザインについても親しみやすさを重視。つぶらな瞳のようなヘッドライト形状と、穏やかな表情のグリルレスフェイスを組み合わせ、独特の優しい表情を持つフロントマスクが特徴となっている※。
(※クロスオーバーSUVタイプの「フィット CROSSTAR(クロスター)」のみグリルのあるデザイン)
ところが中国仕様のフィットを見てみると、日本仕様と印象が異なる事に気付く。どこかやんちゃで力強い表情なのだ。どの辺りが違うのだろうか。
ラインナップはスポーツとクロスターの2タイプ
中国向けのホンダ 新型フィット(「飛度」)は、広東省広州市にある広汽本田汽車で現地生産される。中国の若い世代をターゲットとし、ラインナップは、日本でも設定のある「フィット CROSSTAR」に加え、日本にはない「フィット SPORT(スポーツ)」の2タイプが用意されている。
スポーティなハニカムグリルが備わる「フィット スポーツ」がカッコいい
中でもフィット SPORTは文字通りのスポーティな装いで、4代目フィットの特徴であるグリルレススタイルを捨て、力強いフロントグリルやバンパー形状が与えられた。古典的なハニカム形状のグリルデザインだが、これがスポーティでカッコいいのだ。
中国仕様のフィットには今のところハイブリッドの設定はなく、パワフルな1.5リッターガソリンエンジン(96kW/155Nm)とCVTの組み合わせのみとなっている。日本仕様のガソリン車は1.3リッター(72Kw/118Nm)のみだから、その点でもちょっとうらやましいところだ。
中国での価格は8万1800人民元(約131万円)~10万8800人民元(約175万円)までと、手頃な価格設定も若者向きだ。日本仕様の1.3リッターガソリンモデル(約155万円から)よりも安い。
※1中国人民元16.05円で換算
日本でもこの顔がNESSに代わって新ラインナップ入り!?
日本仕様のフィットは「BASIC(ベーシック)」を基本モデルに、快適性を向上した「HOME(ホーム)」、従来のRSに代わるスポーツモデル「NESS(ネス)」、高級仕様「LUXE(リュクス)」、そしてクロスオーバータイプの「CROSSTAR」の5タイプが用意され、ユーザーの好みに応じて多彩に選ぶことが出来るのが狙いだ。
初期の受注状況ではHOMEが47%、BASICが19%、CROSSTARとLUXEがそれぞれ14%となっており、HOMEがダントツ人気なほかは、割と均等な分布となっていて、当初の狙い通り幅広いユーザーそれぞれの好みに上手くハマったようだ。
しかしその中でNESSはわずか6%と、あまり振るわない結果に。フィット NESSは、新たなスポーティさの表現として企画されたが、ユーザーにはちょっとわかりづらかったのか、あまり響いてはいないようだ。
日本のフィットに唯一足らないのが「スポーティな力強さ」!?
ホンダ フィットのライバル、トヨタ ヤリスは、現在販売台数の面でフィットを上回る勢いをみせている。そのヤリスは、スポーティさを押し出した力強いデザインも大きな特徴のひとつだ。
個人的には4代目フィットが醸し出す独特の優しい“癒し系”な雰囲気はとても好ましく思う。しかし中国向けフィット SPORTにあるスポーティさと、そこから表現される力強さを求めるユーザーも潜在的に多くいそうなことは、ミニバンや軽のラインナップに必ず用意されるカスタムシリーズの猛烈な人気ぶりからも容易に想像出来る。
ならば打倒ヤリスの猛烈な原動力として、日本仕様にも1日も早くフィット SPORTを追加するべきだろう。コンパクトカー市場の更なる活性化のためにも、大いに期待したい!
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]
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