トヨタ ヴォクシー、じゃなくて「シトロエン グランドC4スペースツアラー」|あえて選ぶ外車のススメ Vol.10
- 筆者: 内田 俊一
あえて選ぶ外車のススメ。この企画では「国産車、じゃなくて輸入車」をテーマに、様々なカテゴリーの車種を比較検討します。第10回のテーマはミニバン対決。「トヨタ ヴォクシー」と、「シトロエン グランドC4スペースツアラー」を徹底比較してみます!
家族の夢を丸ごと載せる? ベストセラーのヴォクシー
2019年には8万台を超える販売を記録したミニバンのトヨタ ヴォクシー。
トヨタ シエンタ、日産 セレナに次いでミニバンとしては3番目に売れているクルマです。家族の夢を丸ごと載せる広々とした室内空間を実現し、Fun(快適性)、Utility(使用性)、Nenpi(燃費)を高次元で融合する「Spacious FUN Box」をキーワードに開発されたのがこのヴォクシー(とノア)です。
具体的には、“EMOTIONAL BOX”をデザインコンセプトに、個性豊かな表情と魅惑的な印象を備えた力強いハコ(箱)を追求したデザイン。個性的なフロントマスクにより、“毒気”のあるカッコよさを表現しています。
新開発の低床フラットフロアによるパッケージを採用することで、広々空間やノンステップによる子供・高齢者にも優しい乗降性、使い勝手の良い荷室を実現。
さらに、7人乗り仕様車のセカンドシートに、横スライド機構とワンタッチスペースアップサードシートの組み合わせで超ロングスライド(スライド量810mm)を実現したキャプテンシートを始め、様々なシートレイアウトを可能とし、更にその操作が女性でも軽く出来ることが大きなポイントとなっています。
そのほかにも、駐車枠を自動認識して駐車支援するインテリジェントパーキングアシスト(イージーセット機能付)や、バックカメラの視野角を約180度まで拡大した広角カラーバックガイドモニター、ワンタッチスイッチ付パワースライドドア(デュアルイージークローザー付)、おくだけ充電などの快適装備も採用されています。
シトロエン グランドC4スペースツアラーはミニバンじゃない?
一方のシトロエン グランドC4スペースツアラーは、TECHNOSPACE(テクノスペース)をコンセプトに、シトロエンの独創的なクルマづくりの哲学を結集したMPVです。ちなみに少し前までは「グランドC4ピカソ」という名前でしたが、2018年秋に名称を変更しています。
近未来的なエクステリアとフルデジタルのインターフェイス、使う人の期待に応えるフレキシビリティを具現化し、同クラスの中でも極めて個性的なモノスペースとして人気を博しています。
グループPSAの次世代プラットフォーム「EMP2」による低重心で、安定した走りと広大な室内スペース、完全独立の7名分のシートは5.7m2におよぶクラス最大級のパノラミックガラスルーフと相まって、いわゆるミニバンの既成概念を超えた開放感とくつろぎ感、シトロエンならではのコンフォート性を他にないレベルで両立させています。
さらに、パワーユニットは8速オートマチックEAT8にクリーンディーゼル2リッターターボエンジンを搭載。最大トルク400Nmによ17.3km/L(WLTCモードでJC08モードでは18.8km/l)という優れた燃費性能を誇っています。
パワーはヴォクシー、走りやすいのはグランドC4スペースツアラー
では諸元表で比較をしてみましょう。
トヨタ ヴォクシー ハイブリッド ZS / シトロエン グランドC4スペースツアラー シャイン ブルーHDi 主要スペック比較表 | ||
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車種名 | ヴォクシー | グランドC4スペースツアラー |
グレード名 | 1.8 ハイブリッド ZS CVT | シャイン ブルーHDi ディーゼルターボ AT |
価格(消費税込み) | 335万円 | 416万円 |
乗車定員 | 7名 | 7名 |
全長×全幅×全高 | 4710mm×1735mm×1825mm | 4605mm×1825mm×1670mm |
ホイールベース | 2850mm | 2840mm |
車両重量 | 1620kg | 1660kg |
総排気量 | 1797cc | 1997cc |
エンジン種類 | 直列 4気筒 DOHC | 直列 4気筒 DOHC ディーゼルターボ |
エンジン最高出力 | 73kW(99PS)/5200rpm | 120kW(163PS)/3750rpm |
エンジン最大トルク | 142Nm(14.5kg・m)/4000rpm | 400Nm(40.8kg・m)/2000rpm |
使用燃料 | レギュラー | 軽油 |
駆動方式 | FF | FF |
トランスミッション | 電気式無段変速機/インパネ CVT | 8速AT/コラム 8 |
燃料消費率(JC08モード燃費) | 23.8km/L | 18.8km/L |
タイヤサイズ | 205/55R16 | 205/55R17 |
ボディサイズはグランドC4スペースツアラーの方が短く広く低く、どちらかというと乗用車とミニバンの間のサイズ感です。パワートレインをヴォクシーのハイブリッドと比較をしてみると、パワーはヴォクシーの方が(エンジンとモーターを足すと)ありますが、トルクはグランドC4スペースツアラーの方が厚く、かつ、低回転域で最大トルクを発生していますので、フル乗車したときでも、発進時などより走りやすい仕上がりと言えそうです。
選ぶならどっち!?
乗る人への優しさが伝わってくるヴォクシー
ヴォクシーは徹頭徹尾、ミニバンのシルエット。いかに室内のスペースを稼ぐかに重きを置いたもので、リアゲートをはじめ、サイド部分も基本的には抑揚を持たせず、地面に対して垂直に近い面構成を持たせています。
ヴォクシーを選んだ場合のメリット。まずは、スライドドアです。子どもの乗り降りやベビーシートなどに親が乗せる場合には、スライドドアはかなりのメリットとなるでしょう。
また、シートレイアウトのやりやすさや操作時の軽さはまさに日本車ならでは。女性でも軽々こなせます。
明るく楽しいシトロエン グランドC4スペースツアラー
では、シトロエン グランドC4スペースツアラーの場合はどうでしょうか。
まず圧倒的な室内の明るさがあります。前席の頭付近にまで広がるフロントウインドウやガラスルーフなどから降り注ぐ日の光は他のクルマではまず味わえないものです。
また、個々人を大切にするフランスならではともいえるのがシートです。
7席それぞれが独立し、かつ、シートの柄が中央に向かって描かれています。これは聞くところによると、内側に向いて話しやすくするイメージなのだそうです。そして何よりもどこまでも走っていけるほど快適な乗り心地は日本車では味わえないもの。
家族皆で遠出をして、着いた先で疲れてしまっては元も子もありません。
選ばれたのは、シトロエン グランドC4スペースツアラー!
これらのメリットを比較して考えると、やはりグランドC4スペースツアラーを選びたいと思います。
ミニバンですから家族や友人たちと出かけることが多いでしょう。その時に明るく楽しく解放感に溢れ、かつ、それぞれが快適に移動できること。しかも、ドライバーをはじめ誰もが疲れずに現地に到着し、皆で遊ぶことが出来る。これこそがミニバンを選ぶ大きなポイントであり、価値と言えるからです。
[筆者:内田 俊一]
毎週火曜日は「あえて選ぶ外車のススメ」
毎週火曜日は「国産車、じゃなくて輸入車」をテーマに、様々なカテゴリーの車種をご紹介しています。次回は4月14日火曜日の予定です! お楽しみに~!
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