売れると思ったのに! 期待を見事に裏切ったクルマ 5選|自動車マニアに聞いてみた
- 筆者: 小鮒 康一
ピン!と来たのに、あれ? だったクルマたち
仕事柄、新型車が登場すると一通りチェックするようにしているが(この仕事に就く前も趣味でチェックしていたが)、中には“これは売れるかも!”と思っても、蓋を開けるとイマイチ…という車種も残念ながら存在していた。
そこで今回は、個人的に売れそうだと思ったのに、実際はそこまでではなかった車種をピックアップしてみた。完全なる個人の主観ではあるが、お付き合いいただければ幸いである。
1:トヨタ カローラルミオン(2007~2015年)
カローラだけど…ややこしい経歴の持ち主
元々は初代のbBの後継車種として北米市場で販売されていた、サイオン xBをベースに日本向けにリファインしたモデルである。日本ではパッソ/ブーンをベースとした2代目bBが存在していたことから、”カローラルミオン”として販売されたというやや複雑なルーツを持つ同車。
見た目にはナンパな印象もあるかもしれないが、海外では2.4リッターエンジンがメインということもあり、シャシー性能は高く、日本仕様の1.5リッターや1.8リッターでは圧倒的にシャシーが勝る安定感溢れる乗り味を持ち合わせていた。しかしカローラという名前にもかかわらず、3ナンバーサイズのボディということもあってか、残念ながらそこまでの人気車種にはならなかったのである。
2:スバル R1(2005~2010年)
軽より小さな軽、都会で活躍できず
もはや軽自動車は、ガマンして乗る車種ではなく積極的に選びたくなるような車種となりつつあるが、当然ながら軽自動車には排気量とボディサイズに上限があり、各社その範囲で個性を出すべく日夜努力を重ねている。
そんな中登場したスバル R1は、軽自動車枠目いっぱいのサイズではなく、あえて一回り小さなサイズでリリースされた。これは、軽自動車枠フルサイズの5ドアモデル、R2という存在があったからできた手法かもしれないが、フロントシート重視の2+2スタイルと割り切ったパーソナルミニとして、都市部のユーザーに受け入れられるぞ! と思ったのだが…。
3:ホンダ CR-Z(2010~2017年)
「思ったより速くない」という理不尽なダメ出し
発売当時の2010年、多くのメーカーが“エコ”に力を入れ始め、ハイブリッド車が人気の中心となっていたところで、ハイブリッドカーでも走る楽しさを味わうことはできると言わんばかりに投入されたホンダ CR-Z。しかし、往年のCR-Xを思わせるそのやる気満々なエクステリアによって、ユーザーの期待値は爆上がり。その結果「思ったより速くない」「そこまでスポーティじゃない」とダメ出しされる結果に…。
モーターでエンジンをアシストするタイプのハイブリッドシステムだったからこそ可能だった6速MTの設定なども含め、コンセプトは悪くなかったと思うが、期待値が高すぎた故の反応なのかもしれない。ただ、現在でも十分に通用する小粋なコンパクトクーペであり、2012年のマイナーチェンジ以降のモデルであればそこまでパワー感がないわけではないと思うのだが、当初のガッカリ感が尾を引いた結果なのだろうか。
4:三菱 i(アイ)(2006~2015年)
リアミッドシップエンジンを採用した異色の軽
エンジンをリアミッドシップにマウントし、後輪を駆動する。この文字列だけを見てもワクワクしてしまうが、そんな特別感溢れるパワートレインを軽自動車に採用してしまったのが三菱 i(アイ)だった。当然プラットフォームも専用のもので、当初はターボエンジンのみのラインナップとなるなど、プレミアム感のある車種となっていた。
しかし前述のR1と同じく、当時の軽自動車ユーザーはまだそこまでパーソナルでプレミアム感のあるモデルを求めていなかったのか、爆発的ヒットには至らず。軽自動車最長のホイールベースで他の軽自動車とは一線を画す乗り味も、そこまで販売台数には結びつかない時代だったようだ。
5:ダイハツ ミラトコット(2018年~)
女性ユーザーを意識しすぎた? 今後に期待の癒やし系
イカツイ顔をしたクルマ全盛の今の時代に登場した、癒し系フェイスを持ったミラトコット。昔ながらの軽自動車を思わせるスタイルでありながら、安全装備は抜かりなく装着されており、普段の移動手段としてはベストとも言えるモデル。すでに消滅してしまった普通の「ミラ」を愛用していたユーザーにささると思っていたのだが…。
決して売れていないわけではないが、予想以上に街中でも見かけないというのが正直な印象。やはり今の軽自動車ユーザーは、シンプルなものよりも分かりやすい豪華装備が多くついた車種に魅力を感じるのだろうか。それとも、ミラトコットが女性ユーザーを意識するがあまり、男性ユーザーが買いにくい状況になっているのだろうか。まだ登場して間もないモデルだけに、今後の展望が楽しみでもあるところだ。
[筆者:小鮒 康一]
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