車検切れでの走行車は即検挙へ、ナンバー読み取りシステムを2018年度から稼働開始
- 筆者: 国沢 光宏
可搬式カメラ使いナンバープレート情報から車検の有無チェック
当局による「車検が切れているかどうかのチェック」は、これまでほとんど行われていなかった。ディーラーや保険会社などで車検切れの通知を出すなど民間で注意喚起をしてきたものの、国交省によれば道路を走っている1000台のうち、2~3台が車検切れになっているという。
もちろん車検切れに気づかないで乗っている人が大半だろうけれど、中には認識していながら運行している悪質なドライバーもいることだろう。加えて車検切れイコール自賠責保険切れでもある。重量税だって支払われていない。
この状況を何とかしようというのが、今回発表された「新兵器」だ。
可搬式カメラを使いナンバープレート情報から車検の有無をチェックするシステムで、来年度から稼働開始するそうな。光学カメラによりナンバーを読み取り車検情報にアクセス。検無しなら1.5秒程度で赤ランプが付く。これを無線などで後方に待ち構える警察官に連絡。検挙するというもの。
1000台に2~3台が車検切れ
交通量の多い道路だと、1車線あたり1500台/1時間あたりのクルマが通行している。国交省の主張通り「1000台に2~3台が車検切れ」という状況なら、1時間の取り締まりで2~3台の車検切れ車両を見つけられるということになる。警察の一般的な取り締まりより効率は悪い?
ということを考えると、現実的には「車検切れを発見し取り締まる」というより「今まで何もしなかったけれど、今後はバレるので注意しろ」という抑止力としての効果を狙ったものかもしれない。来年度の本格的導入を前に、今年は5カ所で試験的に運用していくとのこと。
一方、車検切れに気づかないケースは少なくないと思う。特に中古車だったり、ユーザー車検など行うとディーラーや損保会社からの案内も来ないことがある。記事を読んだら、ぜひとも自分のクルマの車検期限をチェックして頂きたい。車検切れ車に乗っていると最悪、違反点数6点/30万円以下の罰金だ。
参考までに書いておくと、現在車検切れかどうかとの判別はフロントガラスのステッカーだけでしか出来ない。しかもステッカー無くても罰則なし。ユーザー車検を取った人の中には「カッコ悪い」と貼らない人も少なくないようだ。
今回のシステムが抑止力になってくれることを期待したい。
[Text:国沢光宏]
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