ハイブリッド技術の進化をけん引する“モータースポーツ”に注目せよ!(1/2)

ハイブリッド技術の進化をけん引する“モータースポーツ”に注目せよ!
2015年 ル・マン 24時間で優勝を果たした「Porsche 919 Hybrid」19号車 2015年 ル・マン 24時間で優勝を果たした「Porsche 919 Hybrid」19号車 FIA世界耐久選手権の年間マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得したトヨタ アウディ、FIA世界耐久選手権 (WEC) 最終戦サンパウロにて ベンツ パテント モトールヴァーゲン ベンツ パテント モトールヴァーゲン トヨタ・レーシングは、モータースポーツの中で最もタフなレースの一つである伝統の一戦 ル・マン24時間レースでデビューした 画像ギャラリーはこちら

モータースポーツと自動車の関わりを改めて考えてみる

連続猛暑日を記録した夏から一転、今年は秋の訪れが早い。今回はスポーツの秋にふさわしく、モータースポーツと自動車の関わりを考えてみたい。

2015年 ル・マン 24時間で優勝を果たした「Porsche 919 Hybrid」19号車FIA世界耐久選手権の年間マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得したトヨタ

少し前の話になるが、今年のル・マン24時間レースは格別に面白かった。スティーブ・マックイーン主演の映画『栄光のル・マン』を観ながら、「いつかル・マンを走りたい」と夢見た40年以上前の感動が蘇ってきたほどだ。

昨年のFIA世界耐久選手権はハイブリッドカークラスでトヨタがシリーズチャンピオンになったが、伝統的なル・マン24時間レースではアウディが優勝した。勝つためにはマシンの性能信頼性と人間のチームワーク、そして勝利の女神の微笑みが必要不可欠だ。

ル・マンはとりわけレース環境がハードである。市街地を使った超高速コースはマシンにもドライバーにも厳しく、さらに天候が変わりやすいという過酷さが加わる。だからこそ、ル・マンを走ったドライバーやチームには共通の達成感がある。

もちろん勝利が最高のご褒美だが、仮に下位に甘んじても24時間を走りきった達成感はナニモノにも代えがたいのだ。

「ル・マンに挑戦する」事自体に大きな意味を持つ

私は2005年にホンダ NSXでGTクラスを走ったことがある。ホンダにとってもNSXにとっても初めての挑戦だったので、マシンもドライバーもチームも満身創痍ながら何とか完走した。

レース終盤にはクラッチが切れなくなるトラブルに見舞われた。走行中はエンジン回転を合わせてクラッチを使わずにシフト。ダウンはともかく、シフトアップは難しかった。さらに困ったのはピットだ。規則でエンジンを止めなければならないが、クラッチが切れないからエンジンを始動できない。

チームは考えた。ピットエリアを水で濡らし、ジャッキアップした状態で、インギアでエンジンをかける。リヤタイヤが空転したところでジャッキをおろして発進する。

このときに感じたのは、ル・マンはチェッカーを受けることが重要だということ。同時にスピードを追い求めるという勇気も忘れてはいけない。

アウディ、FIA世界耐久選手権 (WEC) 最終戦サンパウロにて

ル・マンはやはり特別な存在だ。

自動車メーカーにとってはF1よりも歴史が長いル・マンで勝つこと、いや、ル・マンに挑戦すること自体に大きな意味がある。

ル・マンはもともとパリとルーアンの間で行われていたスピード競争が原点だ。いまではラリーと呼ばれているが、サーキットがなかった時代はラリーがレースだったのだ。

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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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