あなたのお住まいには影響ある?地域によって軽自動車増税の負担が違ってくる!!/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
来春増税される「軽自動車税」、地域によっては税額が大幅に増える市町村も
2015年4月、軽自動車税が現在の年額7,200円から1.5倍の1万800円に切り上げられる。これは「地方税制改正案」に盛り込まれ、閣議で正式に決定した。
ちなみに軽自動車税は地方税法に基づき、税額を最大で1.5倍まで高めることが可能だ。市議会の審議で決定され、現時点でも北海道の夕張市や芦別市は1.5倍の年額1万800円を徴収しており、青森県や山梨県などにも1.2倍の地域がある。
芦別市によると「2015年4月に軽自動車税が年額1万800円になった場合、その1.5倍だから年額1万6,200円に高まる予定」とのこと。市町村の財政にもよるが、地域によっては軽自動車税が大幅に増える。
2014年4月に消費税が8%に切り上げられたのを受け、自動車取得税は小型&普通車を従来の5%から3%に、軽自動車は3%から2%に下げて、税負担を軽減させた。
自動車取得税のエコカー減税率も拡大したが、税負担の軽減率が大きいのは小型&普通車だ。自動車税もグリーン税制として購入の翌年度に納める税額を軽減するが、軽自動車は税額が安いために対象外になる。
軽自動車税を増税する理由
しかも自動車取得税と同重量税は、1970年代に道路建設の費用に充てることを目的に「道路特定財源」として設けられた。
この制度は2009年に廃止され、今では課税根拠を失っているが徴収は続いている。自動車取得税は消費税が10%に切り上げられた段階で廃止されることが決まったが、自動車重量税は存続する見通しだ。そこに軽自動車税の増税まで加わる。
問題は軽自動車税を増税する理由だ。
総務省は「自動車関係税制のあり方に関する検討会」を組織して報告書をまとめ、自民党の税制調査会に提出。「平成26年度税制改正大綱」に盛り込まれ、軽自動車税の増税が決まった経緯がある。
総務省の軽自動車税に関する報告を見ると、「軽自動車の価格は小型車と接近しており、道路損傷に影響する車両重量にも大差はない。軽自動車の負担を適正にすべき」といった記述が見られる。また「小型車の自動車税は排気量1リッター以下で年額2万9,500円だから、軽自動車が7,200円ではバランスが悪い」という指摘もある。
だが、これらはいずれも稚拙な内容で、軽自動車の制度を理解していない。
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