レーステクノロジーをたっぷり投入したニューモデル|日産 新型GT-R NISMO 徹底解説(1/3)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:佐藤 正巳
日産の誇るスーパースポーツ、GT-R。その最上級グレードであるNISMOが2020年モデルとして登場した。今回は千葉・袖ヶ浦フォレストレースウェイでの試乗となったが、そのレポートの前に具体的にどこが変更され、どのように改良されたのかを紹介していこう。
>>GT-R NISMOの最新2020年モデルを画像でチェック[フォトギャラリー]
日産 GT-R。その名前を試乗車として聞いたとき、ちょっと身構える。それと同時に、心が躍る。しかも今回は袖ヶ浦フォレストレースウェイで、「NISMO」を試すことができるというのである。日本が誇る日産 GT-R。その最強のカタログモデルは、果たしてどんな一台に仕上がっていたのか。
2020年モデルとなったGT-R NISMOの進化は、GT-Rコンセプトそのものの進化でもあった。
2007年に登場したGT-Rは、その硬派な乗り味がひとつのキャラクターだった。「時速300キロでパッセンジャーと会話ができるマルチパーパス スーパースポーツ」として、超高速領域での安定性を担保するべく、その足回りはガッチリと固められていた。
しかし2014年モデルの登場から、GT-Rは基準車にリアルワールドでの現実味を反映させた。単刀直入にいうと、日常域での乗り心地が大幅に高められたのである。いくら志は高くとも、ユーザーが実際に使う領域での快適性なしに、その良さを理解することは難しいということを、遂に認めたのだ。それと同時に「NISMO」を設定し、GT-R本来の「速さへの追求」を、維持し続けたのであった。
GT-R NISMOでサーキットアタック![試乗レポートはこちら]
そしてこうした改良からおよそ6年の歳月が流れ、ロードゴーイングカーとしてのGT-Rは、多くの支持を得た。だからこそMY20モデルでは「GT-Rの本質」を追求するために、NISMOに大きく予算が割かれた。
それがまず、今回の変更部分を語る前に、知るべきGT-Rのストーリーである。
この記事にコメントする