日産とJAF、充電機能付ロードサービスカーの実証運用を開始
日産と日本自動車連盟(以下:JAF)は、電気自動車(以下:EV)用充電機能付ロードサービスカーによるEVの電欠(電池切れ)救援を行う実証運用を、6月7日から開始すると発表した。
日産は、環境省よりグリーンイノベーションの推進を目的とする「平成22年度地球温暖化対策技術開発等事業」の委託を受け、EVの電欠に対応する充電システムを搭載したロードサービスカーを試作開発した。
JAFは、この充電機能付ロードサービスカーをJAF神奈川支部に配備し、平成23年度より実際のロードサービス業務の中で実証運用していく。
日産とJAFは、この実証運用を通じて、同ロードサービスカーの実用化を目指し、将来的にEVの電欠による立ち往生の可能性に対するセーフティネットの構築に役立てていく。
JAFによるEVの救援出動実績は、過去1年間で86件。
そのうち73件が電欠によるもので、今年の2月から件数が急速に増加しているという。
これまでは、近隣の充電場所などドライバーが希望する場所まで牽引していたが、充電機能付ロードサービスカーが実用化されれば、その場で充電することが出来る。これによりEVを所有、または購入を検討しているユーザーへの安心感に繋げたいとしている。
JAFではEV救援の対応として、昨年12月に日産教育センターにて全国のJAF支部隊員を対象に、日産リーフを用いて、ロードサービスカーによる牽引等のレスキュートレーニングを実施したほか、各メーカーの協力を得て、EV車両の実車を使った実技研修を全国で展開している。
日産の常務執行役員の川口均氏は
「EVの普及に伴い、充電インフラの整備と共に電欠等へのレスキュー体制の整備は、大変重要である。今回の充電機能付ロードサービスカーの開発・実証運用やレスキュートレーニングを機に、JAFとの連携を強化し、低炭素社会の実現に向けて、お客さまが安心してEVを利用できる環境づくりに努めていきたい」
と述べた。
JAFの専務理事の久米正一氏は
「JAFは社会貢献活動の一環として、環境に優しいEVの普及を後押しするため、自動車ユーザーが安心してEVを利用できる環境づくりに取組んでいる。今回の実証運用への参加もこの取組みのひとつであり、すでに、ロードサービスの現場においては、全車両に絶縁グローブとゴーグルなどを装備し、EV救援対応をしている。今後、EV普及のテンポや救援要請の状況にあわせ、積極的に対応をすすめていきたい」
と述べた。
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