日産とブータン王国、画期的な国家EV戦略において協力~販売会社も決定~

日産

日産自動車は21日、国内の自動車を電気自動車化することを目指すブータン王国をサポートし、環境に配慮した将来のビジョンを達成するという共通の目標をブータン王国政府と共有し、合意したことを発表した。

これは、昨年行われた同国の首都ティンプーでのツェリントブゲイ首相と日産のカルロスゴーン社長の会談を受けたものである。ゴーン社長は同日、ティンプーを再び訪問し、トブゲイ首相と共に今回の発表を行った。

トブゲイ首相は、「ブータン王国は、世界をリードするEV国家となるというビジョンを掲げ、その達成に向けて現在取り組んでいます。今回の日産とのパートナーシップを喜ばしく思っています。私たちは、国内の交通インフラの電動化に向けても進めており、日産のグローバルな経験は我々に取って、大変貴重なものとなります。」と述べた。

ゴーン社長は、「ゼロ・エミッションのグローバルリーダーであり、世界で最も販売台数の多いEV『日産リーフ』を生産する日産は、ブータンの将来のモビリティに向けた画期的なビジョンの達成を信じ、サポートしていきます。また、私たちはブータンへ『日産リーフ』と急速充電器を提供し、クリーンエネルギーが豊富なこの新興国において、どの程度の規模でEVビジネスを行うことができるかを調査していきます。」と述べている。

ブータン政府は、ゼロ・エミッション国家になるという目標の実現にあたり、EVを重要な戦略として位置づけており、ティンプー市民10万人以上の交通手段をクリーンエネルギーで賄う「クリーン・エレクトリック」シティとなることを目指している。ブータンは、水力発電により十分な量の電力を作り出しており、クリーンエネルギーは同国の主要な輸出品となっているが、現在、ブータン国内の自動車の走行のためには化石燃料を輸入しなくてはならない。ブータンは、石油輸入量を大幅に減らすことに取り組んでいる。

まず第1段階として、日産は、政府公用車やタクシー、実証実験等に使用する車両の「リーフ」をブータン王国に提供することを検討する。また、ヒマラヤ山脈の麓に位置するブータン全域のインフラを整備する、という政府の計画を実現するために、急速充電器の提供も検討していく。更に、今回のパートナーシップには、技術上のさらなる協力に向けた実行可能な案件の検討も含まれている。

ブータン王国政府は、EVについては、環境税、消費税、関税を免税にすることを検討。またEVの販売により、内燃機関(ICE)駆動の輸入車の各種税金に関する恩典の炭素クレジット方式の導入も検討する予定である。

ゴーン社長は、ブータン国王の誕生日である2月21日に、日産とブータンの強力なパートナーシップおよび将来に向けた共通のビジョンの象徴として「リーフ」2台をブータン王国に贈呈する。

世界初の量産型ゼロ・エミッション車である「リーフ」は、史上最も販売台数の多い電気自動車であり、世界のEV市場で45%のシェアを誇る。日産は2014年には、欧州および日本で小型電気商用車の「e-NV200」を発売する予定。日産は現在も革新を続ける電気自動車に取り組んでおり、EVにおけるリーダーシップの地位を維持し、ゼロ・エミッションモビリティのメリットを今後も世界中のますます多くの人々へ届けることを決意している。

販売会社 決定

さらに、日産自動車は同日、サンダー・モーターズ社をブータン王国における販売会社として決定したと発表した。同社は、日産の現地パートナーとして、ブータン王国における日産車の輸入、販売、アフターサービスを行うことになる。

これは、日産がゼロ・エミッション国家を目指すブータン王国政府をサポートするために、同国と拘束力のない覚書を締結したという発表と合わせて合意されたものである。ゼロ・エミッション国家という目標に向けた第一段階として、ブータン王国の首都ティンプーの政府公用車、および、タクシー車両がEVに切り替わる。

また覚書の中には、100%再生可能な水力発電によるエネルギーを使った急速充電インフラの全国ネットワークの整備についても含まれている。

2011年に設立されたサンダー・モーターズ社はブータンのR&D企業で、ブータン向けの電気自動車の設計を行っている。また、ブータン国内の運転状況に合うようEVの改造を行った経験もある。日産、および、サンダー・モーターズ社は、ブータン王国向けのEVの開発をサポートするため、技術上に実現可能な案件の検討を共同で行っていく予定。

ゼロ・エミッション車の商品企画および戦略担当の副社長であるチーフ・プラニング・オフィサーのアンディパーマー氏は、「ブータン王国は、国をあげての意欲的なEV計画を掲げています。日産は、現地パートナーであるサンダー・モーターズ社と協力して、国内の交通インフラを電動化するというブータンのビジョンを実現するために、『日産リーフ』を提供できることを嬉しく思っています。」と述べた。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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