デビュー半年で販売1位の常連に! トヨタ ヤリスが売れている理由

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2020年2月に発売されたトヨタのコンパクトカー「ヤリス」。前身は「ヴィッツ」で、1999年登場の初代から数えるとこれで4代目モデルだ。デビュー早々に販売も絶好調! その理由を探る。

売れ過ぎ! トヨタ ヤリスを写真でサクッとチェックしてみる!

2020年3月から8月の間、6月を除き販売ランキング1位のヤリス

トヨタのコンパクトカー「ヤリス」の販売が絶好調だ。自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)調べでは、軽乗用車を除く乗用車ブランド通称名別順位において、6月(2位)を除き、3月から8月までほぼ毎月1位を記録している。

デビューは2020年2月だから、発売早々にこの勢いということになる。

ヤリスがここまで人気になったのはなぜか。その理由を解き明かしていこう。

[ヤリスが売れている理由 その1]豊富なバリエーション

ヤリスのエンジンラインナップは、ベーシックな3気筒1000ccと、新開発1.5リッター 3気筒、さらに1.5リッターとモーターを組み合わせたハイブリッドの3タイプが用意される。

駆動方式はFF(前輪駆動)を基本とし、1.5とハイブリッドには4WDの設定もある。さらに1.5ガソリン(FF)には、希少な6速MTも選択可能だ。

それぞれベーシックな「X」、中間の「G」、上位グレードの「Z」の3グレードが用意されているから、ニーズに応じた選択が可能だ。

最も安いのは、1リッターのみに設定されるビジネス向けグレード「X Bパッケージ」(FF)で、価格は139万5000円。最高値はハイブリッド+4WD(E-Four)「HYBRID Z」の249万3000円と、100万円以上の幅があることに驚かされる(価格はそれぞれ消費税込、以下同)。

[ヤリスが売れている理由 その2]グッとレベルアップした走りの質感

ヤリスのモデルチェンジに際し、トヨタは車体の土台から造り替えた。トヨタの新世代開発思想「TNGA」(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー)を基にしたGA-Bプラットフォームを新開発。さらにエンジンも新型とし、全てを一新したのだ。

その効果はてきめんだった。ヤリスに試乗したモータージャーナリストの嶋田 智之さんは『“走る・曲がる・停まる”という基本性能が大幅に進化していて、フィールもなかなかのものだった』と表現。

同じく、モータージャーナリストの今井 優杏さんはさらに『ガソリン、ハイブリッド共に“ヤリスの味”が見事に統一されていた』ことを指摘していた。

[ヤリスが売れている理由 その3]販売網が一気に拡大

歴代のヴィッツは、トヨタの中でもネッツ店のみの扱いだった。それが新しいヤリスになってからは、トヨタの4つのチャンネル全店で扱われるようになった。

例えば東京では、そもそも4つの販売系列が撤廃されトヨタモビリティ東京に統合されているが、他の地域では依然としてチャンネルは残っており、同じエリアでも経営の違う販売店同士での競合も発生している。こうした販売網の変化やヤリス同士での競合が生じることによって、結果としてヤリスの販売台数が押し上げられた側面も大きいだろう。

ヤリス同士の競合で、ライバルは商談のテーブルにすらたどり着けない!?

このように、トヨタ ヤリスが全方位に渡って売れる理由ばかりが勢揃いしてしまった。

トヨタの販売網だけで競合が発生している状況は、ホンダや日産などライバルメーカーの主力コンパクトカーにとって、そもそも商談の場を奪われかねない死活問題だ。特にヤリスの登場とほぼ同時期にフルモデルチェンジしたホンダ フィットが、直近の販売ランキングで7月5位、8月4位とヤリスの台数に及ばない大きな理由のひとつとして挙げられるかもしれない。

もうひとつのライバル、日産 ノートはモデル末期で、フルモデルチェンジももう少し先の模様。ヤリスの独走状態は今後しばらく続きそうだ。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:和田 清志・小林 岳夫・TOYOTA]

トヨタ/ヤリス
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新車価格:
150.1万円269.4万円
中古価格:
107.1万円328.1万円

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筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

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