ホンダ 新型ステップワゴン 燃費レポート|待ちに待ったハイブリッドモデルの実力を徹底評価!ガソリンとどう変わった!?(6/7)

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ホンダ ステップワゴンハイブリッドとは

ステップワゴンは2015年にフルモデルチェンジを受け、今や5代目となる。その5代目ステップワゴンは、スムースかつトルクフルな1.5リッターターボエンジンにダウンサイジングしたことで拡大された室内空間、従来の跳ね上げ式のテールゲートに、ドアのように横に開く機能を加えた「わくわくゲート」、ホンダセンシングという充実した予防安全装備の採用など、申し分のない商品性を持つミニバンである。

しかしトヨタ ヴォクシー/ノア/エスクァイア、日産 セレナという強力なライバル車が揃うミニバン業界において現行ステップワゴンは大失敗までではないにせよ、販売成績は今一つであった。

その理由をホンダは「スタイルにミドルクラス以上のミニバンユーザーが好む押し出しの強さが欠けていた点と、ヴォクシー/ノア/エスクァイアに設定されるハイブリッドがなかったため」と判断したようで、2017年9月にスタイルの変更と登場当初から搭載を想定していたハイブリッドの追加を主としたマイナーチェンジが行われた。

2017年9月のマイナーチェンジ概要

2017年9月に行われたマイナーチェンジの概要は下記2点。

◆ステップワゴンを含めミニバンで売れ筋となっているスポーティなエクステリアを持つスパーダ系のデザインを、グリルやヘッドライトなどの変更により押し出しの強いものに変更。

◆売れ筋のスパーダにハイブリッドを追加

スポーツハイブリッドi-MMDの搭載

ステップワゴンスパーダに搭載されるハイブリッドは、ホンダでアコードやオデッセイハイブリッドにも使われている2リッターエンジンを主に発電用に使い、高速巡航時以外は発電機と駆動用モーターの組み合わせで走行するスポーツハイブリッドi-MMDを採用。

スポーツハイブリッドi-MMDはエンジンで発電した電力を使い、モーターで駆動するシリーズハイブリッドと呼ばれるもので、大人気となった日産 ノートe-POWERに近いシステムだ。

しかしスポーツハイブリッドi-MMDは三菱アウトランダーPHEVのシリーズハイブリッドと同様に、自動車専用道路や高速道路で速度が上がるとエンジンで直接駆動する走行モードも備える。

ハイブリッドカーにとって重要な構成部品であるバッテリーは、小型で充放電性能に優れるリチウムイオンバッテリーを使い、それを1列目シート下に収めることで、室内空間はほぼそのままでハイブリッド化した。室内空間の広さはミニバンにとっては死活問題なので、この点は高く評価できる。

結果カタログに載るJC08モード燃費はクラストップとなる25.0km/Lを実現。今後記載が義務付けられる新しい燃費測定モード“WLTCモード”では総合20.0km/Lを記録。

エコカー減税でもステップワゴンスパーダハイブリッドは取得税、重量税の免税、翌年度の自動車税の75%軽減が適応となる。

運転支援システム“ホンダセンシング”の機能拡充

5代目ステップワゴンには、下記8つの機能で構成される運転支援システム“Honda SENSING”がマイナーチェンジ前からほとんどのグレードに搭載されていた。その安全装備を、2017年のマイナーチェンジで全グレード標準装備としたのは大きなニュースだ。

◆先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(以下ACC)

◆車線の中央をキープしようとするLKAS(車線維持支援システム)

◆車線逸脱を防ぐ路外逸脱抑制機能

◆先行車発進お知らせ機能

◆標識をディスプレイに表示する標識認識機能

◆コンビニなどの店舗に誤って突っ込む事故を防ぐ誤発進抑制機能

◆歩行者との接触を防ぐ歩行者軽減ステアリング

◆衝突軽減ブレーキ

今回新しく加わったハイブリッドには、0km/hから(つまり停止状態から)対応する“渋滞追従機能付きACC”が特別に装備される。ハイブリッド以外は従来通り30km/h以上でないと追従機能が途切れてしまう。

ステップワゴンの自立自動ブレーキの性能は、対停止車両に対しては50km/hからの停止が確認されている(JNCAP調べ)。対歩行者のテスト結果はまだないものの、ホンダセンシングは最近歩行者への対応も進みつつあるので、今後のJNCAPによるテスト結果には期待ができる。

グレード構成と価格

なおステップワゴンスパーダハイブリッドは、2列目シートが独立したキャプテンシートとなる7人乗りのみの設定。

価格はベーシックなハイブリッドBホンダセンシング/330万480円、中間のハイブリッドGホンダセンシング/335万160円、最上級のハイブリッドG・EX/355万9680円と、1.5リッターターボのおおよそ50万円高となる。

車両価格が330万円以上、オプションを多く付ければ総額400万円もザラという価格はミニバンとしては絶対的に高いのは事実である。

しかしトヨタ ノア/ヴォクシーでステップワゴンスパーダハイブリッドに相当するエアロ系ボディ+ハイブリッドのグレードが326万9160円するのを考えれば、相対的には納得できる価格といえるのではないだろうか。

ホンダ/ステップワゴン
ホンダ ステップワゴンカタログを見る
新車価格:
316.9万円406.7万円
中古価格:
19.8万円551.9万円

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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