「車の楽しさ」を忘れていないジュネーブMS/桃田健史(1/4)
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今年のジュネーブMSは2つのトレンドがキー
ヨーロッパ市場の「今年のトレンド」は、ジュネーブモーターショーで一目瞭然となる。
秋に開催される、仏パリショー/独フランクフルトは隔年開催だが、スイス・ジュネーブショーは毎年3月初旬に行われる。
会場のエキスポセンターはジュネーブ国際空港と隣接。その背後には雪景色のアルプスの山々が見える。だが今年のプレスデー(現地3月2日)は例年以上に気温が高く、会場内の自動車関係者たちは「これも地球温暖化のいち現象なのか?」などと漏らしていた。
参加メーカーは、独仏を代表格とした欧州各メーカー、米デトロイト3(旧ビッグ3)、そして今年1月の米デトロイトショーを欠席した日産、スズキ、三菱などを含む日系全メーカー、さらには中国BYD、インドTATAなどの新興国メーカーが加わった。
地盤沈下が激しい東京モーターショーとは対極的な、名実共にインターナショナルなモーターショーの様相を見せていた。今回のショーでは2つの大きなトレンドが見て取れた。
ひとつは、電動化による環境対応車。欧州市場では日米市場と大きく違い、環境対応車の基準をCO2排出量で捉えている。リッターあたりのCO2排出量によって、免税を得たり、その反対に課徴金が課せられるなど各国でCO2削減に対する政府主導の強い動きがある。
これまでは、小型のディーゼル、ガソリンエンジンによる環境対応車が多かったが、今回のショーでは、ハイブリッド車、EV(電気自動車)のコンセプトモデルと量産車の発表が相次いだ。
もうひとつはライフスタイル系、デザイン重視、走り重視など、「車本来の楽しさを追求しつつ、環境にもやさしい小型車」が各メーカーから登場したことだ。
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