パリダカや東京フレンドパークでも話題|販売終了の三菱パジェロを振り返る

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:和田 清志/三菱自動車工業

え、あのパジェロが国内販売終了!?

三菱を、いや日本を代表するオールラウンドSUV「パジェロ」が日本国内向けの販売を中止する、という発表があったのは2019年4月24日。SUVブーム真っ盛りとも言える中で、三菱の象徴であるパジェロがラインナップからドロップするというニュースは、かつてのパジェロの隆盛を知っている人は衝撃を受けたことだろう。そこでここでは、パジェロが登場してから37年の歴史を簡単に振り返ってみよう。

≫懐かしい初代からラリーを戦ったマシンまで歴代パジェロを写真で見る

「快適で乗用車的なCCV」という新ジャンルを築いたパジェロ

かつてジープに源流を持つ4WD車は、CCV(クロスカントリービークル)やRV(レクリーエーションビークル)と呼ばれていた。1980年代に入ってもトヨタ ランドクルーザー、ハイラックス・サーフ、ダイハツ ラガーなど乗用車ライクなCCVがいくつも存在したが、まだまだハードで「プロの道具」という印象が強く、乗用車を求める層には買いにくいクルマだった。

そんな中、1982年に初代パジェロが出現した。ラダーフレームを持つ本格的なCCVでありながら、居住性を重視した内装で快適性も重視。都市生活者でも普段使いができるクルマとして売れ行きを伸ばし、三菱の代名詞的な存在となった。1988年にはV6エンジンも追加され、レンジローバーのような高級CCV路線も確立した。

RVとしては驚異的な売り上げを記録した2代目

1991年、パジェロは2代目にフルモデルチェンジ。さらに快適性を増したほか4WD車としての性能やパワートレーンにも磨きをかけ、高い完成度を誇った。RVブームが起こったこともあり、2代目パジェロは大ヒット。カローラ、マークII、クラウンが販売上位を占める時代に、月間販売台数1位を記録した……と聞けば、その売れっぷりがわかるだろう。

高級化が進んだ3代目と熟成の4代目

3代目パジェロは1999年に登場した。操縦安定性と乗り心地の向上を目指してラダーフレームはモノコックボディに取り込まれ、4輪独立懸架となって快適性能もアップ。抑揚のあるデザインのボディは全車3ナンバー化して大型化。商用モデルも日本では廃され、高級化も進んだ。

現行モデルとなる4代目は2006年にデビュー。3代目の技術を継承・熟成させたモデルで、外観は初代や2代目を彷彿させる引き締まったスタイルに。発売以来たゆまぬ改良が行われ、2011年以降は4M41型3.2リッター直4クリーンディーゼルを搭載。最新SUVの中でも今なお本格的なモデルとして君臨している。

パリダカでも大活躍! TV番組の賞品としても有名?

パジェロといえば「パリ・ダカールラリー(パリダカ)」での活躍を忘れてはいけない。パリダカへの挑戦は1983年にスタート。いきなり市販車無改造クラスで優勝を成し遂げた。1985年には総合優勝も達成。その後も数々の勝利を収め、2007年までに総合優勝12回という大記録を残した。

一方、「パジェロといえば東京フレンドパーク」という人もきっといるはず(笑)。1992年から2011年までTBS系で放送されたバラエティ番組「東京フレンドパーク」で賞品として長きにわたりパジェロが用意されていた。「パジェロ!パジェロ!」という観客の掛け声は有名だ。

パジェロを愛するオーナーの声

熱心なパジェロファンの声もお届けしたいと思う。3代目パジェロのショートボディを愛用する辻 将一さんに、パジェロの魅力をお聞きした。

「雪道など悪路を走れることです。私も林道を走ったりするのですが、絶大なる安心感があります。守られている感じがします。頼もしさがパジェロの魅力ですね。もちろんオンロードでも快適です。国内販売が終わるのは残念ですが、中途半端に残すよりは良いと思います。今後、三菱の“意地”で、私たちがびっくりするような新しいパジェロを復活してくれると思います!」

パジェロの魂は生き続ける

パジェロはまさに三菱の象徴だが、なぜ国内向け販売が終わってしまうのだろうか。現在の月間販売台数は数百台まで落ち込み、しかも現在の国内法規に対し2006年登場の現行モデルでは、その対応に莫大なコストがかかるため、というのが理由である。三菱としても生産終了は苦渋の決断であるという。だが国内販売が終わるだけで、ネームバリューが絶大な中東や東南アジアなど海外向けには引き続き生産と販売は継続する。また、国内販売されている三菱の4WD車には、パジェロが培った三菱の4WD技術が継承されている。パジェロの魂はこれからも生き続けるのだ。そして、パジェロの復活を大いに期待したい。

三菱のSUVでスターキャンプ2019inマキノ高原に行こう!

SUVの元祖と言えるパジェロを始め、数多くのSUVでアウトドアブームを牽引してきた三菱は、1991年からスターキャンプというイベントを開催している。

三菱はクルマを作るだけではなく、クルマの楽しみ方やライフスタイルの提案を積極的に行っているのだ。

スターキャンプはアウトドアの超ビギナーからプロ級のベテランまで誰でも楽しめるオートキャンプで、2019年は朝霧高原(静岡県)・マキノ高原(滋賀県)・吹上高原(宮城県)で開催。朝霧高原は好評のうちに終了、現在は「スターキャンプ2019inマキノ高原」の応募を受付中である。

対象は「クルマでキャンプに来られる人」で、三菱車以外でも参加可能。各キャンプともに大人気のため抽選が行われることが多い。募集組数は250組(1組につきクルマ1台)、申し込み期間は2019年5月7日(火)14:00~6月10日(月)10:00まで。参加までの流れ、参加費、ペット、イベント内容など詳細についてはイベントページをご参照あれ。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:和田 清志/三菱自動車工業]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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