メルセデス・ベンツの3列シートミニバン、新型「Vクラス」海外試乗|開発のベンチマークは“アルヴェル”!?(1/4)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:メルセデス・ベンツ日本

メルセデス流ミニバンの仕上がりに、驚く!

ミニバンといえば日本のお家芸。そう信じて疑わなかったから、正直危機感すら覚えた。相当な仕上がりレベルだ。特に走りに関しては、国産勢にとって驚異になること請け合いである。

そう思わされたのは、日本導入時期こそまだ見えないものの(年内間に合えばラッキーくらいのイメージ)、国際試乗会にて我々プレス向けに開催されたメルセデス・ベンツの新型Vクラスだ。

フルモデルチェンジではなく、今回はビッグマイナーチェンジという位置づけながら、エンジンは最新世代のものに載せ替えられ、まるで別人ならぬ別車に。ほかにも変更や装備の追加など盛りだくさん。

世界初乗り! 追って見ていきたいと思う。

>>アルファードとどう違う!? 新型Vクラスを画像で比べてみる[フォトギャラリー]

AMGラインにはセダン・クーペ同様のダイヤモンドグリルを採用

Vクラスはメルセデス・ベンツが擁する唯一のミニバンだ。商用車をベースにしており、初代は1998年に誕生している。現在のモデルは3代目にあたり、2014年に発表され、日本では2016年から販売が開始されている。

今回はビッグマイナーチェンジということで、プラットフォームに変更はない。試乗したボディサイズは「ロング」だったが、全長×全幅×全高はそれぞれ5,140×1,928×1,880mm(※欧州値)。ほぼ現行モデルと同サイズと言ってもいい。試乗会場には実に全長5,370mm!の「エクストラロング」も用意されていた。Vクラスには他に全長4,895mmの「コンパクト」の設定もあり、日本には「ロング」と「コンパクト」の導入が濃厚だ。

エクステリアデザインにも大きな違いはない。国際試乗会では「ニュールック」などと大々的なセールストークが展開されたが、変更はニュアンス程度に収められた。

モデルによってはエアインレットの開口部が大きく取られていたり、最新のLEDライトをフロント・リアともに採用している。新ボディカラーの採用や新ホイールデザインも発表されたが、基本的な意匠に大きな変化はない。

ただ、「AMGライン」にはクローム装飾や他のメルセデス・ベンツの乗用モデルにも採用されているダイヤモンドグリルが用意されていて、これは面白いと感じた。

生産ラインが商用車から乗用車部門へ変更

「他の乗用モデルと同じ」。これこそ実は今回のVクラスビッグマイナーのキモだから、なのである。

裏話を言うと、メルセデス・ベンツには商用車と乗用車の間に横たわる深い溝があった。本社での管轄も部門も違うし、生産ラインもまったく別。だから、これまでのVクラスはあくまでも「商用車の延長」であって、生産ラインも商用を使用していたのだ。よって乗り味もシートアレンジをはじめとするユーティリティも、どこか商用車を思わせる荒削りな印象があったのは否めない。

しかし、新型からは、生産が乗用車ラインに組み込まれることが決定しているのだ。つまり、乗用車としての劇的なクオリティアップが望める、ということでもある。

ダイヤモンドグリルの採用は、大げさに言えばその象徴的な変革の現れと言ってもいいかもしれない。

>>日本にも導入予定の新世代ディーゼルエンジンがイイ[次ページ]

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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