ジープ 新型ラングラー イタリア試乗|山まるごとのワイルドテストコースを走り倒す!(1/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:FCAジャパン
自然と共存するジープならではのイベントを体験!
日本のオフロード試乗会ではお預けされたJeep(ジープ)の走破性テストを、なんとイタリアのリゾート地でこれでもかというほど味わうことになったのだから、人生とは不思議なものだ。
これはフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、イタリア北部トレンティーノ アルト・アディジェ州にある「サンマルティーノ・ディ・カストロッツァ」というリゾートで開催したイベント「キャンプ・ジープ」に筆者が参加したから。正確に言うと週末約700台のジープとそのオーナーたちが集まるイベントのアトラクションステージを借りて、ジープの走破性をテストしたのであった。
ご存じの通りジープは現在、クライスラーを傘下に収めたフィアットで販売されている。だからそのお膝元となるイタリアでは、コンパクトSUVであるレネゲードがあちらこちらで走り回り、ミラノの街中ではラングラーに乗ったお洒落なミラネーゼが得意げに、歴史ある石畳をアーバンクルーズしている光景が多々見られた。
>>ワイルド過ぎるジープ ラングラーの走りを見る[フォトギャラリー]
ちなみにFCAが力を入れてから欧州におけるジープブランドは急激な躍進を見せ、昨年は前年比で+73%の成長率を誇った。またドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、イギリスの順に売れているのだという。
つまりジープは、ヨーロッパでは今が旬。それだけに大規模なイベントが毎年、FCA主導で開催されているのである。
とはいえ本当にその規模には驚かされた。
特設ステージにはリジッドアクスルの足つき性が確認できる丸太越えや、登坂性能をテストする巨大なやぐら等々手の込んだアトラクションが用意されていたが、何より圧巻だったのは周辺の山を丸ごと借り切って走行ステージとしていたことである。
ただしそれは、単なるイベントではなかった。なんでもこの地域では筆者が訪れる前に大規模な台風被害があり、FCAが倒れた木々等を取り除くなど復旧に貢献したというのだ。前述したアトラクションや会場に敷き詰められたウッドチップはこうして集められた木材で作った。だからこそ山を管理する林業の人々も、普段はハイカーにしか開放しない山道を、FCAに解放したのだという。
自然と共存するジープのイメージと相応しいエピソードである。
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