ジープ 新型ラングラー イタリア試乗|山まるごとのワイルドテストコースを走り倒す!(2/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:FCAジャパン
細かい注意は一切なし! それでも走れるのがルビコンの実力
さてそんなわけで筆者はいきなり本格的な林道を走らされることになったわけだが、このコースがまたビギナーには強烈だった。
今回試乗したのは、ジープ・ラングラーの中で最もハイパフォーマンスなオフロード性能を誇るアンリミテッド・ルビコン。日本には存在しない2リッターガソリン直列4気筒ターボ(272PS)との組み合わせで2/4ドアモデルを試し、さらには2.2リッターディーゼル直噴ターボ(144KW:200PS相当)の4ドアにも試乗することができた。
ルビコンだけが入ることを許された山林の入り口には、陽気なイタリアンがひとり。彼はR(アール)を巻き舌で発音しながら、にこやかに挨拶をしてきた。そして最後に副変速機のギアを『4L(4WDのローギアだ)に入れてね』、とだけアドバイスをくれた。
……それだけ? もう走っていいの?
『そうだよ!』
「危ないから飛ばさないでね」とか「くれぐれも事故には注意して」なんていう前置きはまったくない。そして目の前の極めて細い林道の急な上り坂を、さぁ登れというのである。
果たしてジープには、そのむちゃぶりを担保するだけの能力が備わっていた。
特に第二世代のマルチジェットエンジンである2.2リッターディーゼルターボの粘りは、ジープのオフロード性能と高い親和性を見せた。
ガソリンモデルではやや踏み込み気味にトラクションを稼ぐ場面でも、ディーゼルターボはつま先に僅かな力を込めるだけで乗り越える。8速ATとスーパーローギアードな副変速機の組み合わせにより微細なアクセラレーションが可能となるから、力強く繊細に、ぬかるみやモーグルを走破して行けるのだ。
ただコースに慣れてくると、低速トルクが少ない分アクセルを踏み込む、ガソリンモデルの思い切った運転も面白くなってくる。足つきのよいサスペンションと、強固なラダーフレームシャシーの走破性があれば、ガソリンモデルでも十分にオフローダーとしての性能を堪能することができた。
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