ジープ 新型ラングラー最上位モデルの実力を雪上で試す！(4/4)
- 筆者： 嶋田 智之
- カメラマン：FCAジャパン
自然に力を発揮してくれる新型ラングラーは乗り心地も快適
僕に与えられた試乗車はラングラー・アンリミテッドの最上位モデルとなるルビコンだったのだが、一般道を走っていたときには、搭載する3.6リッターV6エンジンはスポーティな印象こそないけれど、静かで癖もなく、どの領域からでも自然に充分な力を発揮してくれて走らせやすいという印象を受けたものだった。
そのどこからでも自然に力を発揮してくれるという性格が、こうした微妙なアクセル・コントロールを要する場面でとても役立ってくれたのも大きかった。それに、これも一般道を走っているときに気づいたことだけど、ラダー・フレームにリジッド・アクスルというヘビーデューティな構造のわりには乗り心地が快適で、その印象はこうした悪路ベースの雪道でも変わることがなかった。
昔ながらの無骨とも思えるイメージのインパネ周りの操作系も、レイアウトが整然と機能的で、慣れない雪道にともすれば慌てがちになるダメなドライバーにとっても操作しやすいものだった。あらゆるところがよくできてるのだ。
新型ラングラー 最上位モデルが“無敵”を感じさせてくれるワケ
ちなみにルビコンの4WDシステムは、他のラングラーのセレクトラックよりさらに悪路走破性を高めた“ロックトラック・アクティブ・オンデマンド・フルタイム4WD”と呼ばれるもので、4Lモードを選んだ時にはリアだけ、あるいはフロントとリアの双方のディファレンシャルをロックする機構が備わっている。
その際にはギア比がさらに低いレンジのものへと切り替わる。つまり極端な悪路を進むときのみ必要になるもので、普通に暮らしてる限りではまず必要になる場面には遭遇しないようなものだ。スーパーカーでいう350km/h出せる性能はあるけど出さないでしょ、というのと同じだ。
それくらい物凄い性能を持っているのが、ラングラー・アンリミテッド・ルビコン。その実力を100%使い切ってないのに雪道シロートにすら無敵感を感じさせてくれた包容力には、ただただ驚愕。たくましい姿をしたクルマにはたくましい4WD機構が備わっていて欲しい、という気持ちがさらに強くなってしまった。
[筆者：嶋田 智之/撮影：FCAジャパン]
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本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと４つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る
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