ホンダ S2000 試乗レポート

ホンダ S2000 試乗レポート
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硬派なスポーツカー、3回目のマイナーチェンジ

99年4月に、ホンダとしては1963年のS500以来のフロントエンジン、リアドライブのスポーツカーとしてデビューしたのがS2000だ。2シーター、オープンボディは、「ハイXボーンフレーム構造」と呼ばれる基本骨格をベースにしている。

そのS2000が3回目のマイナーチェンジを受けた。01年にはサスペンションの熟成やリアウィンドにガラスを採用、03年には17インチホイール、ブレーキ性能の向上、ボディ剛性の強化などで、ドライビングの楽しさを充実させた。

今回の大きな話題はエンジンの変更だ。2Lから2.2Lへと拡大、マニュアル6速ミッションのギアレシオの変更など、中・低速での使いやすさが向上している。そのほかにも快適な装備も追加された。

気になる車両価格は、S2000、S2000タイプVともに10万円アップ。相変わらず6速MTのみの設定という硬派なスポーツカーだ。

レッドゾーンが8000~9000回転に変更

ロングノーズ、ショートデッキのプロポーションは変わらない。2シーターの室内はシート後ろにロールバーが組みこまれ、乗員を保護する。ボディカラーはブルーとバーガンディの2色が加わり、全13色というワイドバリエーションになる。17インチホイールのデザインもスポークタイプになった。

インテリアで目につくのはシート形状だ。シートの剛性を向上させるために形状を変更した。ややタイト感のあるシートのホールドはよかった。着座位置は低めだがボンネットが見えるのがよい。町中でも乗りやすい。インテリアカラーもブラック、レッド、ブルーに加え、ブラウンも選べるようになった。

ホロはブラックとブルーの2色用意されている。

運転席に座ってみる。実はメーターも変更点がある。液晶タイプのエンジン回転計のレッドゾーンが8000~9000回転になった。これは2.2Lエンジンの性格に合わせてのことだ。

トルクが太く、低回転からも扱いやすい2.2Lエンジン

2.2Lエンジンは245ps/7800rpmが最高出力だが、2Lは250ps/8300rpmだった。出力はダウンしたが、トルクは22.5kgm /6500~7500rpmになった。2Lは22.2kgm/7500rpmだった。パワーを抑え気味にし、トルクを太くし、低回転から扱いやすくしているのだ。

実際に試乗してみると、6速ギア、1500回転からアクセルペダルを踏みこんでも、ちゃんと加速する。2000回転に達すれば、レスポンスは格段によくなる。アクセルペダルとエンジンは、今回からドライブ・バイ・ワイア(DBW)を採用したことで、ますますリニアに反応するので、ドライビングが楽しくなった。6速MTは7000回転まで回わすと1速50、2速80、3速110km/hに達する。一方、100km/h巡航は6速3200回転、5速4100回転になる。エンジン音は2000回転からやや高まり、6000回転になると大きくなる。その音はあまり快音でないのは惜しい。

オープンで走ることの楽しさを満喫してほしい

今回、マイナーチェンジしたS2000に乗ってみて、もっとも印象的だったのは、ボディ剛性だ。これまでのS2000もオープンカーにしては、ワナワナするような動きは少なかった。しかし、最新モデルは本当にワナッともしないのだ。本当にオープンカーなの?と思えるぐらい、ビシッとしている。それはホロを閉じていても開けても同じだった。運転をしていると、頑丈な箱に入っている感じだ。安全性が高い、という印象なのだ。

ドライビングの楽しさは、2Lエンジンよりも2.2Lエンジンのほうが、一般の使用には合っている。町中でも使いやすいし、パワーをもて余すようなことが少ないはずだ。

乗り心地も上下動のキツさがなく、ゴツゴツした動きも少ない。スポーツカーとしては快適なほうだろう。

ホロを閉じた状態でも、ヘッドスペースの圧迫感、閉所感は小さい。ホロは2ヵ所のフックを操作するだけで、5~7秒で電動開閉できるので、オーナーになった人はオープンで走ることの楽しさを満喫してほしい。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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