日本初飛行!「Honda Jet」(ホンダ ジェット)を徹底解説/国沢光宏(2/3)

ビジネスジェットでクラス随一の性能、それでいてバリューな価格設定

日本初飛行!「Honda Jet」(ホンダ ジェット)を徹底解説/国沢光宏
日本初飛行!「Honda Jet」(ホンダ ジェット)を徹底解説/国沢光宏

ホンダジェットの特徴を並べると、現在販売されている同じクラスのライバルと比べ、価格こそ安くないものの、一番速く、一番高く飛べ、燃費で8~15%良く、それでいてメインテナンスサイクルが長いということになります。もっと言えば、このクラスのビジネスジェットで圧倒的な性能を持ちながら、高くない、ということ。

ちなみにホンダ ジェットの最高速778km/hに対し、今まで一番速かった『エンブラエル フェノム100E』で720km/h。『エクリプス500』が694km/h。『セスナ サイテーション マスタング』は630km/hといった数字。最大巡航高度もライバルより1000m以上高い1万3100mで大型旅客機並。気流の乱れの少ない高度を巡航できる。

ホンダは発表会でアピールしなかったものの、このクラスで唯一の個室トイレも装備してます。聞いてみたら、この点が見込み客の奥様などから非常に高く評価されているとのこと。確かに2185kmという航続距離をフルに使えば飛行時間も2時間越え。簡易トイレしか付けられないライバルを大きく凌ぐ隠れた魅力だと思う。

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メンテナンス性も向上させるなど、全方位でライバルを圧倒

メンテナンスの容易さも大きな武器になっている。これまた大半のメディアが伝えていないことながら、一般的にエンジンのOHは3500~4000時間毎。全部バラして指定部品を交換するという大作業だ。ホンダ ジェットは5000時間毎。ここでもメインテナンスコストを20~30%抑えられる寸法。後出しだけに、なかなか優れてます。

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一番の特長はユニークなエンジン搭載位置

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機体の特徴は、エンジンの搭載位置。ライバルを見ると、全て機体後部の胴体に2個搭載している。この位置だと機体の後半がエンジン搭載用の補強などで使えなくなってしまう。かといって大型機のように翼の下にエンジン付けると、超小型機では離着陸時に雨水やゴミを吸ってしまうなど数々の問題が出てきてしまう。

そこでホンダ ジェットは主翼の上に置くというユニークな搭載方法を選択した。結果、機体後部にスペースが作れ、個室トイレなども設置出来たのである。加えてエンジン振動がボディに直接伝わらないので、乗った人に聞くと圧倒的に静かだという。ただ主翼の上にエンジンを置くのは空力的に厳しい。そのあたりを解決出来た技術に驚く。

実績皆無な新規参入メーカーの第一弾ながら、既に100機以上の受注を獲得

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このヒコウキを高く評価したのがビジネスジェットの顧客層である。実績無い新しいメーカーながら、発売前から100機を越える受注を受け(120機を越えているらしい)ている。このクラスは500機を越えれば利益が期待出来ると言われているから、順調なら6~7年で大きな利益を生むかもしれません(年間生産目標は2~3年後に100機程度)。

ちなみにTVなど一般メディアでは大金持ちや大企業が買うと言っているが、間違え。大金持ちや大企業は、最低でも米大陸横断。出来れば大西洋や太平洋を飛び越えられる航続距離を持っていないと厳しい。2000kmのホンダジェットクラスだと、ロスからシリコンバレー往復程度の距離で使われる。つまり社長でなく役員クラスです。

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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