ミニバンベースのキャンピングカー、略して“ミニバンコン”流行の兆し!【JCCS2018】
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:オートックワン編集部
きっとあなたもライトなキャンピングカーユーザー?
2018 年2月2日(金)~4日(日)までの3 日間にわたり、千葉県千葉市の幕張メッセにて開催された国内最大・アジア最大級となる“キャンピングカーの祭典”「ジャパン キャンピングカーショー2018」(JCCS2018)。
昨年2017年の330 台を上回る360台以上が展示され、キャンピングカーユーザーの増加や関心の高まりから来場者数も増加しておりJCCS2017では過去最高の約74,000人を記録した。キャンピングカーは冒険心がくすぐられるし、キャンピングカーで出かける、車内で泊まることを考えただけでワクワクする。クルマの新しい楽しみ方、そしてクルマ乗りの夢の終点の一つとして大いに注目すべきジャンルだ。
キャンピングカーといえば本格的な設備のモデルをイメージする人が多いかもしれないが、キャンピングカーの種類はとても豊かで、軽自動車をベースにした「軽キャンピングカー」からトヨタ コースターのようなマイクロバスの大きなボディを存分に活用した「バスコンバージョン(バスコン)」、さらにそれぞれに簡易的なベッドを持つ仕様から調理が可能だったりシャワーまで装備されるものまで予算や使い方、好みに合わせて様々なキャンピングカーの「レベル」が用意されていることはすでにレポートした通りだ。
>>あのミニバンやSUVがキャンピングカーに大変身[画像ギャラリー]
その中で、キャンピングカーは憧れだけれど、そこまで本格的な装備はいらない、車中泊ができるだけでいい、という“ライトな”キャンピングカーユーザーも潜在的に多いのではないだろうか。
かくいう筆者もそんな一人だし、これをご覧のみなさんの中にも、車中泊が可能な装備があったら活用してみたいと思っている人がいるもしれない。しかも簡易的なキャンピングカーでは、ハードルが高く感じる8ナンバー登録をしなくていい場合が多く、それも気軽に楽しめそうなポイントだ。
また、キャンピングカーのベースが商用バンやトラックがベースで、快適性は以前より大幅に改善しているとはいえ、やはり乗り心地や性能は届かない部分は否めない。運転していると「シゴトのクルマ」感もある。だから、乗用として設計されている車内が広いクルマ、いわゆるミニバンがベースになったら買うのに…という人もきっといると思う。
SUVやミニバンを活かしたキャンピングカーが増加中
そんな声に応えるかのように、ここ最近ミニバンをベースにしたキャンピングカーが増えており、JCCSの展示車を見る限りでもそれを実感する。外観を変えずに車内を改造するタイプは日本RV協会では「バンコンバージョン(バンコン)」と統一することが決められているので、ミニバンがベースでも「バンコン」に分類されるが、ここでは勝手に(汗)ミニバンベースのキャンピングカーを「ミニバンコンバージョン(ミニバンコン)」と呼んで進めてしまおう。
日本には各種サイズのミニバンがあるが、ホンダ フリードなどのコンパクトなSサイズミニバンとトヨタ ノア/ヴォクシー、日産 セレナなどが激しくしのぎを削るMサイズミニバン、そしてトヨタ アルファード/ヴェルファイア、日産 エルグランドなどのLサイズに分けられる。この中でキャンピングカーベースとして増加しているのはMサイズで、JCCS2018でもトヨタ ノア、ホンダ ステップワゴンなどの台数が昨年よりも多かったように感じた。
外観上では屋根に載せられたポップアップルーフがキャンピングカーであることを教えてくれるだけで、それ以外はごく普通のミニバンだ。トヨタモデリスタでは、先日の東京オートサロン2018にも展示した「NOAH MU(Multi Utility)CONCEPT」ではエアロが付いた“カッコイイのに車中泊仕様”という、実はキャンピングカーではなかなか見られない傾向のノアを持ち込んだ。
またトヨタ系列の特装メーカー、東海特装車もノア/ヴォクシーのエアロをベースに簡易的なベッドが組める「ときめき」、同じくノア/ヴォクシーの車内をカプセルホテルのようなベッドを設けた斬新なキャンピングカー「Cross City Cupsule」を展示した。
いずれも外観には大きく手が入っていないのが特徴である。
人気のミニバン・軽ハイトワゴンが続々とキャンパーに大変身
昨年もホンダ フリードやルノー カングーにポップアップルーフを設置したキャンピングカーを並べて注目が集まったホワイトハウス(愛知県愛知郡東郷町)は、今年も“ミニバンコン”を多数用意した。
「フリード+ DOG LOVER」は、昨年のレポートでもご紹介したホンダ フリード+をコンパクトなキャンパーに仕立てた「FREE STYLE」をベースに、ホンダの純正用品を扱うホンダアクセスが「わんことキャンプを楽しめる特別なクルマ」を開発したキャンピングカー。
ちょっとした小物や、犬を飼う際には避けられない車内に入れたくないものを収納できるクオーターウインドウボックス、愛犬に飲ませるお水を確保できるビルトインウォーターサーバー、テールゲートを開けた時愛犬が飛び出るのを防ぐ飛び出し防止ネットなど愛犬が喜ぶ装備を満載している。もちろん、大人2名が横になれる屋根上ポップアップルーフ、すべての窓に用意されるプライバシーカーテン、エンジンを切っても車内を暖めることが出来るFFヒーターを床下に備えた「エア・ヒーターシステム」などを持ち、キャンピングカーとしての実力も高い。
新型N-BOXが早くもキャンパーに大変身
そして個人的に大いに気になったのが、最近フルモデルチェンジを果たしたホンダ N-BOXのキャンパー、「Neo」だ。
軽自動車のコンパクトさ、維持費の安さを活用した軽キャンピングカーは数多く開発されているが、その多くは軽トラックの後部をキャビンに架装したタイプか、軽ミニバン・1BOXバンの車内にベッドを敷くタイプ、もしくは屋根上にポップアップできるボックスを載せるタイプなどではないだろうか。Neoは乗用のN-BOXをベースにしているだけでなく、屋根上にポップアップルーフを持つ以外、見ため上はキャンピングカー的なアピールはない。
でもこのポップアップルーフを持ち上げれば大人2人が横になれるスペースが出現し、車内も運転席を回転させて助手席を前に押し出せば、軽自動車とは思えない広々としたダイニングが出来上がる。さらにその状態のまま後部座席の片側を倒して折りたたみベッドを敷きつめれば、もう1人分のベッドが登場する。窓を覆うカーテンでプライバシーも保たれ、スライドドア/リアゲートネットで夏の虫除けもバッチリ。アイドリングストップ状態でもサブバッテリーで微量のガソリンを燃やして熱を得るヒーターも備えており、見た目のふつうさからは想像もできないほどの“本格派”である。
NEOはN-BOXが持つ広さや床の低さを存分に活かし、コンパクトながらもしっかりと実用性を持った「箱庭的キャンピングカー」なのだ。
ホワイトハウスではこのほかトヨタ ノア、ホンダ ステップワゴン、ルノー カングーなど売れ線のミニバン・のキャンピングカー仕様も展示。いずれも日常で使うミニバンが週末には車中泊やアクティビティを楽しむベースに変身するコンセプトでまとめられている。
アウトランダーPHEVのキャンピングカーは最強だ!
また、三菱車をキャンピングカーに架装する西尾張三菱自動車販売株式会社は、アウトランダーPHEVのキャンピングカー「POP」を展示した。屋根上にポップアップルーフを設けることで、車内寸法がミニバンほどに取れないSUVでありながらも、しっかり大人4人のベッドを確保している。
そしてこのクルマ最大の特徴が、「PHEV」ということ。キャンピングカーを実際に使う時問題となるのが「電源」なのはご存知のとおり。アウトランダーPHEVは100VのAC電源を1500Wで給電可能なので、その問題もクリアとなる。1500Wという大電力なら、炊飯器やコーヒーメーカー、電子レンジ、冷蔵庫、液晶テレビもアウトドアで使えるのだ。これはある意味最強の存在と言える。
SUVやミニバンなどの「いつも使うクルマ」が、週末には車中泊やアクティビティを楽しむ基地になる。そんな風にさらっとキャンピングカーのある暮らしが楽しめる“ミニバンコン”は、今後もきっと車種、ユーザーともに増加していくに違いない。だって、いくつになっても「屋根の上のポップアップルーフ内で寝る」って、考えただけで楽しそうだもの!
[Text:遠藤 イヅル/Photo:オートックワン編集部]
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