【ホンダ フリードとトヨタ シエンタ2列目シート比較】シートの使い勝手や着座のしやすさにも違いがあった!

  • 筆者: 青山 尚暉
  • カメラマン:茂呂幸正/佐藤正巳
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国産ミニバンの中で、5ナンバーサイズで乗れるコンパクトな3列シートモデルがホンダ フリードとトヨタ シエンタだ。どちらも1.5リッターエンジンを基本にガソリン車とハイブリッドを揃え、それぞれにパッケージングの工夫を施し、「ちょうどいい」多人数乗車に仕上げてある。

ところで、走りは別にして、ミニバンならではの使い勝手では、ミニバンの特等席と言える2列目シートの居住性が選択の決め手になることは、サイズ、クラスを問わず、ミニバン選びの大きなポイントとなる。2列目シートに満足できなければ、買う意味がないということだ。そこで、両モデルの2列目シートを徹底比較したい。

目次[開く][閉じる]
  1. シエンタはベンチシート、フリードはキャプテンシートがメインだ
  2. 2列目シートは着座のしやすさや立ち上がりやすさもポイントになる
  3. 3列目が不要なら5人乗りの2列シートの選択肢もある!

シエンタはベンチシート、フリードはキャプテンシートがメインだ

まず、シートタイプから説明すると、シエンタは5:5分割のベンチシートのみの設定だ。一方、フリードは贅沢な居住感覚が味わえるキャプテンシートが基本。

ベンチシートは座り方の自由度があるとともに、おむつ替えなどにも便利という利点があり、キャプテンシートのほうは左右シートの間に隙間があるため、2-3列目シートスルーが可能になるメリットがある。

当然、乗車定員はベンチシートだと7名(2-3-2名)、キャプテンシートだと6名になる(2-2-2)のだが、正直言って、このクラスで7人乗車はかなり窮屈だし、大人ばかりの乗車だと加速性能がガクンと落ちるから、お薦めできない。

コンパクトミニバンは最大6名までが、それなりに快適に移動できる限界と考えるべきだ。理想を言えば、4名乗車で3列目シートを愛犬専用席、荷物置き場にするか、3列目シートを格納してラゲッジルームを拡大して大容量コンパクトワゴンとして使うのが正解である。

2列目シートは着座のしやすさや立ち上がりやすさもポイントになる

では、2列目シートの居住性、シートの仕立てを比較してみよう。フリードのキャプテンシートはクッション長500mm×クッション幅530mm×シートバック高580mmと、座面はゆったり。360mmのシートスライド量を備え、助手席側を前端に出せば、運転席の母親が後席のこともケアしやすいフォーメーションになる。

身長172cmの筆者のドライビングポジションを基本に、その背後に座ると(以下同)、頭上に210~230mm(360mmものシートスライド位置による)、膝周りにステップワゴンの2列目席の最大360mmをしのぐ最大380mm(2列目シート後端位置)ものスペースが確保される。ここはシエンタを圧倒する部分でもある。

ただし、着座のしやすさ、立ち上がりやすさの目安になる、フロアからシート座面先端までの高さ=ヒール段差は約305mmと、やや物足りない。ヒール段差は高いほど、ローソファより椅子のほうが立ち上がりやすいのと同じで、座りやすく、立ち上がりやすいのである。

とはいえ、座ってしまえば、キャプテンシートのかけ心地はアームレストも用意され、フロアがフラットで足の置き場の自由度があるため、コンパクトカーとは思えない贅沢感、かけ心地の良さがある。こう言っては何だが、2列目シートの居住性に関しては、ステップワゴンに匹敵すると言えるほどである。

シエンタは座りやすく立ち上がりやすいのが魅力

シエンタの2列目シートはどうか。5:5分割のベンチシートだから、キャプテンシートのようなスルー空間がなく、車内にいるまま3列目シートへの移動は困難(4WDの6人乗りも同様)。

シートサイズはクッション長460mm×クッション幅1250mm×シートバック高580mm。ベンチシートゆえに座面は比較的平板で、サポート性には欠けるものの、姿勢を崩して座りやすいメリットはある。しかも、ヒール段差は340mmとフリードをリード。

フラットフロアと合わせ、より座りやすく、立ち上がりやすい2列目シートと言える。居住スペースは頭上に200mm、105mmのシートスライド最後端位置で膝周りに220mmのスペースだから、居住空間的にはフリードにやや劣ることにはなるが、コンパクトカーとして十二分な、大人がリラックスしてドライブを楽しめるスペースと言っていいだろう。

そしてシートのかけ心地そのものも、ベンチシートゆえにキャプテンシートのフリードに譲る。

3列目が不要なら5人乗りの2列シートの選択肢もある!

もし、シエンタのデザインが気に入り、しかし3列目シートは不要というなら、フリードに2列シートのフリード+があるように、シエンタにも用意される2列シートモデルのFUNBASEを選ぶと、2列目シートのクッション性(クッションの構造が異なる)がよりいいので、検討の余地アリだ。

ちなみに、2列目席の居住性を比較する上で欠かせない、2列目席への乗降性について触れると、スライドドアの開口部はフリードが高さ1165mm、幅665mm。ステップ高390mm。シエンタはスライドドア開口部の高さ1135mm、幅670mm。

ステップ高360mm。スライドドアの幅は同等、乗り込みやすさのポイントとなる高さの余裕ではフリード、子供やシニアの足運びのしやすさにかかわるステップ高ではシエンタがやや優位、ということになる。

ここでは両車の2列目シートの居住性についてのみ比較したが、実際の購入時には試乗して1列目席の居住性、運転のしやすさ、動力性能はもちろん、3列目シートの実用性、3列目シート使用時のラゲッジスペースの使い勝手、シートアレンジ性、そのしやすさなどについても、じっくりと比較していただきたい。

【筆者:青山 尚暉】

トヨタ/シエンタ
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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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