GT-R 2015年モデル/RC F/M4を徹底比較 ~スーパースポーツカーの頂上決戦!~(3/4)

GT-R 2015年モデル/RC F/M4を徹底比較 ~スーパースポーツカーの頂上決戦!~
レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー 画像ギャラリーはこちら

運転を楽しんだり上達するための機能を充実させている

日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)

GT-Rは登場してから7年を経過するので、インパネなどに真新しい印象は薄れたが、質感に不満は感じない。

そして走行性能の調節と、各種の情報表示の機能が充実している。インパネ中央の下側にはスイッチが3つ並び、左から6速トランスミッション/ショックアブソーバーの減衰力/4WDの前後輪の駆動力配分と横滑り防止装置の制御を、走行条件に応じて切り替えられる。

カーナビの画面には、走行性能に関する各種の情報を表示することが可能だ。水温や油温、ターボのブースト圧、さらに前後左右のG(加速度)などが履歴として分かるため、サーキット走行のテクニックを上達させるのにも役立つ。

前席はやや硬めの座り心地だが、肩まわりまでしっかりとサポートされてボリューム感がある。積極的な運転をしても着座姿勢が乱れにくく、長距離を移動する時でも疲れにくい。

後席はライバル2車に比べて足元の空間が狭く、大人4名が乗車するのは辛い。もっともGT-Rに、後席の快適性を求めるユーザーはほとんどいないだろう。手荷物を置くための空間として重宝しそうだ。

2007年にGT-Rが登場した時、標準仕様の価格は5%の消費税を含んで777万円であった。現行型のベーシックグレードになるピュアエディションは、8%の消費税を含んで947万7000円。大幅な価格上昇になったが、7年間の間にエンジンやトランスミッションから足まわりまで、かなり洗練された仕上がりに進化している。

また4WDを含めた優れたメカニズムと、走行性能を考えれば、価格が1,000万円前後になってもライバル車と比較して割高ではない。

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日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)日産 GT-R 2015年モデル 3.8 プレミアムエディション 4WD ボディカラー:メテオフレークブラックパール(スクラッチシールド)

内装の仕上げはレクサスらしく上質で、各種の装備も充実

レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバーレクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー

インパネのデザインは、基本的にレクサス RC、セダンのISと共通だ。ATレバーが収まるセンターコンソールの付近は、デコボコが多くて少し繁雑に見える。

またエアコンの温度設定は、パネルに埋め込まれた細い金属を指でなぞって調節する。見栄えは良いが、いまひとつ使いにくい。

内装の仕上げはレクサスとあって上質だ。細部までていねいに仕上げた。

RC Fの特徴として、ドライブモードセレクトが挙げられる。エコ/ノーマル/スポーツS/スポーツSプラスがあり、エンジンやAT、横滑り防止装置などの設定を変化させられる。これを切り替えると、メーターの色彩も変わるなど、視覚的な演出も施した。

高性能モデルではあるが、ベースがレクサス RCだから全高は1,390mmになり、前席のスペースは十分に確保される。頭上にも相応の余裕があり、クーペといっても窮屈には感じない。

シートはバケット風の形状で体をしっかりとサポートするが、硬さは気にならず、適度に柔軟だ。

後席は、頭上は狭いものの、足元には大人が座れる余裕を持たせた。クーペだから4名で乗車するニーズはほとんどないと思うが、短い距離であれば、3~4名で乗車することも可能だ。

価格が953万円に達する高価格車とあって、カーナビなどは標準装着されている。

安全装備では、ミリ波レーダーを使った自動ブレーキを作動できるプリクラッシュセーフティシステム、斜め後方の死角に入った車両を検知するブラインドスポットモニターなどがオプション設定される。プリクラッシュセーフティの応用技術で、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わるが、全車速追従型にはなっていない。速度が下がるとキャンセルされる。

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レクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバーレクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバーレクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバーレクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバーレクサス RC F ボディカラー:ソニックシルバー

上質で大人っぽい雰囲気の内装に特徴がある

BMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエローBMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエロー

M4の内装は、BMWの4シリーズクーペとほぼ同じだ。ドライバーの前側に大径のメーターが装着され、インパネの中央には、横長のエアコンとオーディオのスイッチが備わる。RC FやGT-Rに比べて見栄えは地味だが、視認性や手探りによる操作性は良い。造り込みも上質で、車内全体が大人っぽい印象に仕上がった。

車内の特徴は、前席の中央に配置されたセンターコンソールが少しワイドになること。運転席に座った時に、適度な引き締まり感が生じる。背もたれを立ち気味に調節して背筋を伸ばすように座り、両脇を引き締めてハンドルを握ると、運転姿勢がピタリと決まる。車両との一体感を得やすい。

その半面、ルーズな姿勢で座るといまひとつ運転姿勢が合わない。ゆったりとリラックスして運転する雰囲気ではない。このあたりは大半のBMWに当てはまる特徴で、好みは分かれるが、M4のようなスポーツモデルには適している。

後席は、頭上は狭いが足元の空間は相応に確保される。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)がM3セダンと同じ2,810mmになり、空間効率を高めた。短い距離であれば、大人が3~4名で乗車して移動できる。荷物も置きやすい。

足まわりには、アダプティブMサスペンションを装着。ショックアブソーバーは電子制御式で、コンフォート/スポーツ/スポーツプラスを選べる。

衝突回避の支援機能では、ドライビングアシストが用意される。衝突不可避時には、自動的にブレーキを作動させるが、目的は衝突時の被害を軽減させること。従って軽い制動にとどまる。

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BMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエローBMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエローBMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエローBMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエローBMW M4 DCT ドライブロジック ボディカラー:オースチン・イエロー

内装・装備の総評

今回取り上げた3車種はいずれも高性能なクーペだが、後席とトランクスペースを備えるから相応に実用的だ。手荷物を置いたりする時に都合が良い。GT-Rの後席は窮屈だが、RC FとM4であれば、頭上空間は乏しいものの短時間なら4名乗車が可能だ。この3車種にとって、後席の実用性はどうでも良さそうだが、1台だけの所有となれば無視はできない。BMWはセダンのM3を選べるが、レクサスでは今のところ現行IS Fの設定はなく、V8エンジンを求めるとRC Fのみになる。

室内の雰囲気として、GT-Rは少し閉鎖的だ。車両に潜り込んだ感覚になり、特に後方視界が良くない。全幅も1,895mmとワイドだから取りまわしに気を使う。RC FとM4は相応に扱いやすいが、M4の最小回転半径は5.9mと大回り。GT-Rは5.7m、RC Fは5.4mになる。

取りまわし性という点で3車種に共通する注意点は最低地上高だ。一般的な日本車は140~160mmだが、RC Fは130mm、M4が120mm、GT-Rは110mmと低い。高性能車には車高が下がる傾向があるが、駐車場に入る時の段差などで下まわりを擦らないように注意したい。購入後に最低地上高や視界が気になり、ストレスを感じるユーザーは少なくない。それなりの覚悟が必要なクルマでもあるわけだ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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