【速攻試乗】ダイハツ ウェイク 試乗レポート／渡辺陽一郎(3/3)

ウェイクはターボモデル必須！？

ウェイクの車両重量は、タントよりもさらに60kgほど重く1000kg前後に達するので、ターボを装着していないと力不足を感じやすい。今回緊急試乗出来たグレードは、最上級の「ウェイク G・SA」であった。ターボを装着したエンジンを搭載して、最高出力は64馬力(6400回転)、最大トルクは9.4kg-m(3200回転)。ターボモデルであれば、動力性能の不満はない。

実用回転域の駆動力が高く、アクセルを踏み込んだ後に加速力が高まるターボのクセを少し感じるものの、気になるほどではない。エンジンノイズも抑えられ、広い室内空間と相まってコンパクトカーに近い感覚で運転できた。

背高ワゴンに長けたダイハツならではの安定した走り

背の高い軽自動車とあって、走行安定性を確保するために操舵感は鈍めだ。ただしタントに比べると、ハンドルを切り始めた時の反応の鈍さを少し抑えた。もちろん機敏とかスポーティーと呼べるほどではないが、タントで感じた車両の向きが変わりにくい印象は抑えている。ムーヴに近づけたともいえるだろう。

このバランスはなかなか良い。レーンチェンジを行っても唐突に振られず、なおかつ動きの鈍さも意識させない。背の高い軽自動車の走りも、かなり進化してきたようだ。直進時の安定性も優れ、背が高い割に安心感が伴う。

プラットフォームや足まわりは、基本的にタントなどと共通だが、リバウンドスプリングを使ったフロント側のショックアブソーバー、ボディの傾き方を制御するスタビライザーなどは専用にチューニングされている。コペンのノウハウも取り込んで仕上げた。

幅広い層に愛されそうな予感

試乗車が最上級のG・SAだから、装着されていたタイヤは15インチ(165／55R15)のダンロップエナセーブEC300プラスであった。タントと共通で、指定空気圧は240kPaと高めだ。なので乗り心地は少し硬いが、いかにもタイヤの転がり抵抗を抑えたという粗っぽさはない。

ウェイクでは背の高い軽自動車の欠点が上手に抑えられ、ごく普通に、まずまず快適に運転できた。カタログを見ると「若者向け」という感じで私のようなオジサン世代は相手にされていない気分になるが、実際には中高年齢層も積極的に買うと思う。「タントは便利なクルマだけど、ちょっとつまらない。ウェイクは面白そう」。こんな具合にウェイクを歓迎するのは、結局のところ中高年齢層を中心にしたクルマ好きの世代になるからだ。

[レポート：渡辺陽一郎／Photo：オートックワン編集部]

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ダイハツ ウェイク G ”SA”[FF] 主要諸元

全長x全幅x全高：3395x1475x1835mm／ホイールベース：2455mm／車両重量：1020kg／乗車定員：4名／駆動方式：前輪駆動(FF)／エンジン種類：直列3気筒 DOHC 12V インタークーラーターボ／総排気量：658cc／最高出力：64ps(47kW)/6400rpm／最大トルク：9.4kg-m(92N･m)/3200rpm／トランスミッション：自動無段変速機(CVT)／燃料消費率：23.8km/L[JC08モード]／タイヤサイズ：165/55R15 75V／メーカー希望小売価格：1,749,600円[消費税込]

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