フランスが教えてくれた、クルマとワタシのもっとカジュアルな付き合い方/新型 DS3・DS3カブリオ 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:茂呂幸正
いかにもフランスらしい、こだわりのカラーコーディネイトの数々
先ずはオープントップとなる『DS3カブリオ』をドライブ。
頭上の幌はルームミラー付近にあるスイッチの操作で開閉できるようになっている。両サイドの骨格を残して幌だけがスライドする機構なので、高速道路を走行中でも開閉が可能。フルオープンを満喫する以外にも、サンルーフのように、わずかな隙間から空気を採り入れるといった調整もできる。
ただし、後方視界の確保には注意が必要だ。
フルオープン時は車両の後ろに幌をたぐり寄せる分、後方視界が遮られて死角が多い。車庫入れなどでバックする際はあらかじめ幌を閉じてリアガラス越しに直接視界を確保するほうが良さそうだ。
幌はブラック、ブルー、エメラルドといったモノトーンカラーのほかにも、『DS』の文字を象ったモノグラム柄のジャガード織の素材まで用意。フランスメーカーならではの卓越したセンスに溜息をもらすばかりだ。
3気筒ターボエンジンの懐の深さに驚かされる!
今回の『DS3 カブリオ』に搭載されるパワーユニットは110馬力を発生する3気筒の1.2リッター直噴ターボエンジン×6速AT。
発売当初は1.6リッターターボエンジンに6速MTが設定されていたが、運転できる人が限られていた。MTモデルの選択肢が無くなったのは少し残念ではあるが、ATに置き換わったことで間口が広がり、カブリオの販売台数は飛躍的に伸びているらしい。
それにしても、この3気筒ターボエンジンの懐の深さには驚かされてしまう。3名乗車で箱根の急勾配を登っても、2千回転あたりからトルクが背中を後押してくれるので、ゆとりをもって加速していける。
3気筒だからといって安っぽい振動を感じさせることはなく、回転フィールはむしろ滑らかに感じられるほど。常用域でトルクが落ち込むようなターボラグは感じにくく、パンチはないが、フランス車らしい優しいタッチの走りにはマッチしている。路面のうねりを乗り越えるときは何処となくフワンとした感触なのに、姿勢の収まりがよく、ゆったり走れるところが気持ちいい。
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