何故メーカーはコンセプトデザインのままで市販化しないの?

何故メーカーはコンセプトデザインのままで市販化しないの?
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何故メーカーはコンセプトデザインのままで市販化しないの?

モーターショーでよくコンセプトカーが登場しますが、コンセプトカーのデザインのままで市販化することは少ないように思います。

例えば、スバル エクシーガやスズキ キザシなど市販化されたものは、デザインが変わっています。コンセプトデザインはかっこよかったのに、市販化されるとかっこよさが減ってしまうように感じられます。

なぜメーカーはコンセプトデザインで市販化しないのでしょうか?それともできないのでしょうか。清水さん、教えて下さい。(リトル)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

コンセプト Kizashi3

わかりやすく言いますと、ショーに出展されるコンセプトカーはファッションショーの衣装で、市販モデルは市販品です。

パリコレに出品される新作は、「ええ~っ!?」と思うようなものが多いですよね。ものすごく斬新で、ものすごく目を引きます。

それを着るモデルも一流ですから、ものすごくカッコいいです。世界に対して「わがブランドにはこのような斬新な創造性がある」とアピールするのがショーの目的だから、これは当然です。

しかしそれをそのまま売り出して実際に売れるかと行ったら、あんなものを着て外を歩けません(笑)。実用的じゃないのです。

コンセプトカーも同じです。中には、「これはこのまま売れるんじゃないか?」と感じる現実的なコンセプトカーもありますが、多くの場合、実際に市販されるときは、より現実的に手直しされています。

「現実的に」というのは、居住性を優先するというのもありますが、実際にエンジンを積んだり、生産工程やパネルの剛性などを考慮すると、変更せざるを得ない部分が出てくるからです。

それは仕方ないのですが、しかしコンセプトカーより市販モデルがカッコ悪いと感じたら、それはデザインがまだ甘い、ということでもあります。

単にスリークにしたり、単に全高を低く横幅を広くしたり、つまりは単に速そうなフォルムにするだけで、クルマはカッコよく見えるのです。

コンセプトカーでそれをやるのは簡単ですが、それは一種の“カンニング”です。カンニングは、市販モデルでは使えません。エクシーガやキザシがショーモデルよりカッコ悪くなったと感じたのは、カンニング的な要素があったという面もあるでしょう。

真にすばらしいデザインは、機能を満たした上で美しいのです。

市販モデルであろうがコンセプトカーであろうが、関係なく美しい。実際、コンセプトカーより市販モデルの方がカッコいい!と感じるモデルも、数は少ないけど、あります。

MJブロンディの「ひとりごと」

ショーカーに最も近い形で販売されたクルマといえば、いすずのピアッツァが思い浮かびます。ジウジアーロがデザインした「アッソ・デ・フィオーリ」を、ほぼそのまま市販車に仕立てたのが初代ピアッツァでした。

しかしそれでも、ファンは「アッソとピアッツァは全然違う」と言います。当時、「アッソと違ったので失望した」という声もありました。「あれで!?」という感じですが、人の要求に限りはない、ということでしょう。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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