ボルボの未来を決定付ける新たなマイルストーン/ボルボ 新型「XC90 T6 AWD」試乗レポート(1/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志・ボルボ・カー・ジャパン
ボルボから、ついに真打が現れた・・・!
ついに真打ここに現れり、と、打たれるように思った。とうとう始まったんだ、と。
その変容はあまりにもドラマチック、かつ大胆に行われた。それはいくつもの既存の概念を、ボルボ自らが打ち破る改革の連続であったに違いない。
それでいて、この革命と言ってもいいくらいの変化ののちに仕上がったプロダクトを包み込むのは、ボルボらしさを失わない、あくまでもふんわりと優しい雰囲気だ。ドアの先でこのクルマとともに生きる人のことを、細心なまでに思いやったことが伝わるものづくり。北欧というエリアのもつファンタジーを、連想させるに充分な高い質感はさすがのひとことに尽きる。
結果、このクルマは一旦蛇のように痛みを秘めた脱皮をするりと経て、新たなしなやかさを手に入れた。
ボルボの未来を決定付けるマイルストーン、新型「XC90」
・・・と、なにやらいやに中二病な感じで書き始めてしまった今回のレポートだが(照)、この進化を目の当たりにしちゃったらもう、その過程を想像するだけで、おのずとハードボイルドになってしまうのはしょうがない。眉間に皺寄せて、バーカウンターでロックアイスをカラ~ンと言わすんである(え?)。
ボルボがここのところ(それは明確に言えば、日本では2014年から始動した「ドライブ・イー(Drive-E)」というパワートレーン戦略から端を発する)、コツコツと推し進めてきた一つの答え、一つの種が見事に結実したことを、こうして目の前に突き付けられたらもう。
ボルボはいよいよ、フルモデルチェンジを果たしたこの7シーターSUV「XC90」を皮切りに、次のフェーズに突入する。
そういう意味で、XC90はボルボのここ数年後までの行く末を決める、マイルストーンとしての役割をも果たす。実に責任重大だ。だからこそXC90は、今ボルボに出来ることのすべてがつぎ込まれた、肝煎りの仕上がりになっている。
[プラットフォームから一新された新型XC90・・・次ページへ続く]
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