勝利に飢えたトヨタがみせた!WEC第7戦 富士6時間の裏側(2/2)

勝利に飢えたトヨタがみせた!WEC第7戦 富士6時間の裏側
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トヨタTS050 HYBRID「マシンが富士に合っている」

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さらに心拍数を上げたのは、それぞれのドライバーのタイム。WECは、二人のドライバーが予選アタックを行ない、その平均タイムでグリッドが決まるが、個人別に見ると、小林可夢偉が最速、2位が同じトヨタTS050 HYBRIDのセバスチャン・ブエミだった。

すでにトヨタTS050 HYBRIDが速いことは、予選日の午前中に見えていた。確認走行からいきなり連続周回に入ったところで、中嶋一貴のトヨタTS050 HYBRIDがそのセッションの最速タイムを記録した。予選では、最初のアタッカーだったために、タイヤラバーが乗ったところで走ったチームメイトのブエミに先を譲ったが、中嶋一貴は、「マシンが富士に合っている」と笑顔でコメントした。

予選最速タイムを記録した可夢偉は、ルマン以外のここまでとは違う流れであることを笑顔で語り、「明日、ぶっちぎったら、言ってることが本当ってとこになりますね」と豪語していた。

ここで言う“違う流れ”とは、予選とレースのペースである。ルマン以降のレースでは、アウディとポルシェに、予選で1秒突き放されても、決勝になると食らいついていけていた。マシンによって、パワーをひねり出して「一発タイムを狙って走る予選モードの考え方が違うから」というのがその理由だ。

二人の合計タイムは、アウディとポルシェに0.2差、さらに可夢偉が、最速。レースになればペースが逆転することがここまでのレースで証明されていた。トヨタ陣営は、レースでやれる感触を掴んでいたのだ。

しかし、可夢偉はレース後、「レースはそれど甘くなかった」とコメントすることになった。序盤こそいいペースで走れていたが、ポルシェもアウディも、ペースダウンすることなく終盤を迎えた。

小林可夢偉、自身初の世界選手権優勝

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可夢偉がステアリングを握る6 トヨタTS050 HYBRIDは、6時間レースの1時間経過時点で、8 アウディR18 e-tron quattroに次ぐ2番手に着けて逆転を狙っていたが、アウディのペースは落ちなかった。

そこでトヨタ・チームは、最後のピットインでを給油だけで済ませる作戦を可夢偉に提案した。可夢偉はチームに、「勝つために行けと言われれば行くので言って」と伝えた。ピットから、“その代わり、タイヤ変えたらダメ”と言われ、可夢偉は「じゃ、行く」と答えた。

タイヤ無交換で、そしテドライバー交替なしで予定の倍の距離を走ることになったのだ。レースの残り45分の決断。8 アウディとの差から「それしかない」と考え、「逆転しに行きました」。

しかし、距離を走ったタイヤで、周回遅れを処理するのは簡単ではなかった。「もう、トラフィックだけはやめてくれ、と思いながら走っていました」可夢偉に、ロイック・デュバルがドライブする8 アウディR18 e-tron quattroがハイペースで追いついてきた。

残り6分で2台の差は4秒少々、デュバルはスパートし、最終ラップには1.3秒にまで縮まった。ルマン24時間の“残り3分の悲劇”が思い起こされる展開だった。しかし、デュバルも周回遅れを処理しなければならなかった。

可夢偉は渾身の力と集中力を振り絞って6時間を走り抜き、最初にチェッカードフラッグを受けた。小林可夢偉にとって、2009年以来、長く忘れかけていた表彰台最上段は、自身初の世界選手権優勝だった。

チェッカーフラッグを受けた瞬間の気持ちを可夢偉は、「ボクだけじゃなくて、みんなが勝ちたいレースだったと思うので、そこに貢献できてよかったと思うし、ここで勝たなかったらどこで勝てるのか、というのが今シーズンだったので、勝ててよかった。勝負は来年だと思っているので、その来年に向けていい気持ちで挑めるかな、と思います」と笑顔で語った。

可夢偉はこれで、チームメイトと共にシリーズポイントで23点差の2番手に躍り出た。F1と同じく優勝すれば25点を加算できる。「(ライバルが)どこかで一回止まってほしいな(笑)。勝ちに行くつもりでやるしかないですね」。

残りは2戦。2016WECは、トヨタTS050 HYBRIDにピントが絞り込まれて最終章に入った。

[Text:山口正己]

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筆者山口 正己

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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