スズキ ハスラー(HUSTLER) 新型車解説/渡辺陽一郎(3/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:スズキ株式会社/茂呂幸正
スズキ ハスラー(HUSTLER) 新型車解説/渡辺陽一郎
スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー スズキ ハスラー 画像ギャラリーはこちら

ますます楽しくなりそうな軽自動車の世界

スズキ ハスラースズキ ハスラー

スズキハスラーは相当に安全装備を充実させたが、唯一惜しいのはサイド&カーテンエアバッグが用意されていないこと。以前はワゴンRなどが採用していたが、オプション装着率が低いことを理由に廃止されてしまった。ホンダ「N-WGN」などは「あんしんパッケージ」に含めているから、スズキも復活させて欲しい。装着比率が低いのは、ユーザーに対するアピールが不足しているからだ。側面衝突時の安全を軽視して良いことにはならない。

グレードはA/G/Gターボ/X/Xターボの5種類を用意する。これらの内、最廉価のAにはレーダーブレーキサポートなどが備わらないので、推奨はできない。

Xと上級に位置するGの違いは、ディスチャージヘッドランプ、15インチアルミホイール、LEDサイドターンランプ付きドアミラーなどだ。機能と価格のバランスは取れているので、どちらを選んでも良いが、ディスチャージヘッドランプとチルトステアリングなどはGにもセットオプションとして6万3000円で装着できる。

スズキ ハスラー

なので一般的な推奨グレードは、G(121万1700円/CVT)のセットオプション装着車(合計すれば127万4700円)。この価格にレーダーブレーキサポートも含まれているので買い得だ。さらにアルミホイールやLEDサイドターンランプ付きドアミラーも付けたいなら、Xにグレードアップすれば良い。

そして雪道などを走る機会があるなら、前述のヒルディセントコントロールの機能が備わる4WDを積極的に選びたい。4WDの価格上昇は12万2850円。ワゴンRの11万7600円に比べて若干高いが、高機能になることを考えればむしろ割安と判断できる。

スズキ ハスラー

登坂路の多い地域のユーザーにはターボも推奨したい。価格上昇は8万4000円。スペーシアなどのターボに比べて1万円ほど価格が高まるが(装備の違いを補正してターボの単体価格を割り出した場合)、許容範囲には収まる。

なお、JC08モード燃費は、2WDで見るとアイドリングストップなどを備えたGやXが29.2km/L。ワゴンRの30km/Lには達しないが、十分に満足できる数値になる。

ターボも2WDであれば26.8km/L。燃費数値はノーマルエンジンに対して8%程度の落ち込みだ。最大トルクは52%もプラスされるので、ターボの効率もきわめて高い。必要に応じて4WDやターボを選択したい。エコカー減税は、CVT(無段変速AT)車はすべて免税になる。

ハスラーの外観を見て思い出したのは、1999年に発売されたダイハツの「ネイキッド」車名が示すようにシンプル指向の軽自動車だったが、車内は広く、見方によってはSUV風でもあった。ネイキッドはいまひとつ売れ行きが伸びなかったが、時期尚早だったのかも知れない。

スズキ ハスラー

なのでおそらくハスラーのような企画は、ダイハツ、ホンダ、日産&三菱も進行中だろう。スズキはもともとトレンドの先手を打つのが得意で(初代のアルト/ワゴンR/アルトラパン等々)、ハスラーをいち早くデビューさせたが、今後は似通ったライバル車も登場すると思われる。

2015年4月以降、軽自動車を新車で買うと軽自動車税が1.5倍の年額1万800円に引き上げられることが決まった。現時点では「新車限定」の増税だからメーカーには辛いところ。売れ行きの下降を食い止めるべく、工夫を凝らした軽自動車の開発に一層の力が入るだろう。軽自動車の世界はますます楽しくなりそうだ。小型&普通車は、海外から国内市場に目を移し、相当に頑張らないと負けてしまいますよ。

前へ 1 2 3

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

スズキの最新自動車ニュース/記事

スズキのカタログ情報 スズキの中古車検索 スズキの記事一覧 スズキのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる