結局は“増税”「自動車取得税の廃止」は嘘!消費税10%の2017年4月からクルマ関連の税負担は確実に増える!(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
「自動車取得税」自体は廃止されるが・・・
消費税について、2017年4月1日から現状の8%から10%へと増税されることは皆さんご存知の通りだが、そこで気になるのが「自動車取得税」の動向だ。
以前から「消費税が10%になった段階で、自動車取得税を廃止する」ことが決まっていた。
現在の自動車取得税は、登録車(小型/普通車)が取得価格の3%、軽自動車は2%になる。取得価格とは、オプションを含めた税抜き車両価格に0.9を掛け(10%は値引き相当額として差し引く)、1000円未満を切り捨てた金額だ。
登録車の取得税は「税抜き車両価格×0.9(1000円未満切り捨て)×0.03(税率)」で算出される。なので消費税が2%切り上がって10%になり、その代わりに取得税が廃止されれば、おおむねバランスが取れるはずであった。
ところが、だ。
「平成28年度/国土交通省税制改正概要」によれば、2017年4月に消費税率を10%へ引き上げる時に、自動車取得税を廃止する一方で「環境性能割税率」を導入することが新たに盛り込まれたのだ。
「環境性能割税率」とは!?
「環境性能割税率」の内容は、登録乗用車については平成27年度燃費基準達成車と+5%達成車が取得価格の3%、同基準+10%達成車が2%。平成32年度燃費基準達成車が1%、同基準10%以上達成車が0%になる。
軽乗用車は平成27年度燃費基準達成車/+5%達成車/+10%達成車が取得価格の2%。平成32年度燃費基準達成車が1%、同基準10%以上達成車が0%だ。
このように「環境性能割税率」は、現在実施されているエコカー減税に似ている。
正確にいえば、エコカー減税の平成32年度燃費基準+10%達成車は80%の減税だが「環境性能割税率」では0%の免税になる。逆に平成27年度燃費基準+5%では、現状ではエコカー減税によって20%減税されるが、「環境性能割税率」は3%だから減税対象外と同じで増税になってしまう。
一部の報道では「環境性能割税率」はエコカー減税よりも税率が低く、税負担が軽減されるといわれるが、これは全体的な話だ。車種によってはエコカー減税が実施されている今の取得税よりも税額が増える。
また、そもそも消費税が現在の8%から10%に増えるのだから、結局は増税になるのだ。
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