上海モーターショー2013 BOSEブースレポート/金子浩久(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ボーズ・オートモーティブ株式会社
BOSEが最適な音を求める手法は、意外にもシンプル
現在、BOSEがサウンドシステムを提供している自動車ブランドは15以上にのぼる。
BOSEのアプローチは実にシンプルだ。新車の開発段階から参加し、ボディのどこにスピーカーやアンプなどを配すれば良いのかなど様々なトライ&エラーを繰り返して探っていきながら、独自の音響理論にもとづいたチューニング技術や音響設計によって最終的にそのクルマにとってベストのサウンドを造り出していく。
最近のクルマはボディの内側に様々なものが存在しているので、オーディオに割ける空間が限られているが、協働することによってオーディオ側からもクルマ側からもベストな解へと少しでも近付けることができる。
また、オームオーディオと比較すると圧倒的に狭い空間で音楽を聴かなければならないというカーオーディオの宿命的ともいえる弱点を逆手に解釈し、再生条件が一定であることから音響設計を推進、求める音に近付けているのだ。
BOSEのカーオーディオにおける最大の革新は「デジタル化」
この30年間でBOSEは様々な革新をカーオーディオにもたらしてきたが、最も大きな変革は「アナログからデジタルへの変換だった」とマー氏は話す。
「1997年に、アンプ部分の回路をそれまでのアナログからデジタルへと変更しました。デジタル化することによって、サウンドを漏らさずデータに変換し、圧倒的な高速で処理することができました。デジタル変換なくしては、サウンドシステムは始まりません」
BOSEサウンドシステムの代表的技術である「オーディオパイロット」は、音楽信号をクルマの速度と外部から侵入するノイズを車室内のマイクでモニターし、つねに同じように聞こえるように修正するものだが、これなどデジタルなくしては進化は不可能だろう。
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