日産 ジュークR 試乗レポート/河口まなぶ(1/2)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:日産自動車株式会社
とてつもない性能を誇っているが『ちゃんと走れるのかな?』
灼熱の滑走路の上に、そいつは佇んでいた。遠目から見ても明らかに、“無理矢理作った感”が漂う。取ってつけたオーバーフェンダーと、リアのハッチにそびえる大きなウイング。そしてボディに塗られたマットブラックのカラーには、ホコリがうっすらと積もっている。
正直、『大丈夫?』と思った。『ちゃんと走れるのかな?』という意味だ。カリフォルニアで開催された日産360というイベントの会場にモンスターマシン、「ジュークR」はそんな風に佇んでいた。
多くのジャーナリストが試乗するため、与えられた周回数は1周のみ。使われなくなった空軍の滑走路だったその場所に、パイロンを使って作られたコースを走るという、極めて簡単なテストだった。
“6000万円!”
いよいよ順番が回って来た。ドアを開けて乗り込もうとすると、ロールケージが足下を邪魔する。シートはバケット。座ると4点式シートベルトを締められた。リアにシートはなく、ロールバーのジャングルジム状態。
目の前に広がるダッシュボードは、ジュークのそれに無理矢理「GT-R」のメーターが埋め込まれたもの。作りは荒い。これが“6000万円!”正直、もう少しなんとかしてほしいなと思う造作だ。
「ジュークR」の成り立ちはつまり、「GT-R」のシャシーを短くして、そこにジュークのボディを被せたもの。だからタイヤ&ホイールに始まりサスペンションやAWDシステムなどは全て「GT-R」のもの。ただしエンジンは485psにデチューンされているという。しかも車両重量は「GT-R」よりも重く、1.8tを超える。しかしそれでも0-100km/h加速は3.7秒、最高速は257km/hと、とてつもない性能を誇っている。では走りは?
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